心躍る、唯一無二のクリエイション
ハチドリを生き生きとした煌めきに昇華させて。愛らしい表情や、羽根の裏側の繊細なグラデーションなど、細部に至るまで計算し尽くされたデザインに、メゾンの美意識が感じられます。「ホピ ル コリブリ」ネックレス(WG×イエローベリル53ct×イエローサファイア×シトリン×ダイヤモンド×サファイア)1663万6364円 同リング(WG×YG×イエローベリル35ct×イエローサファイア×ダイヤモンド×エメラルド)945万4545円/ともにブシュロン ●お問い合わせ/ブシュロン クライアントサービス TEL:0120-230-441世界最小の鳥を最高の輝きに仕立てて
解説/山口 遼(宝石史研究家)
このコラム、このところ威風堂々といいますか、比較的大ぶりの作品が続いていましたが、今回は久々に「可愛い」という声がかかりそうです。
「ブシュロン」の大きなイエローベリルを使った指輪とネックレスで、デザインのモチーフはハチドリ。アメリカ大陸に生息する、おそらく世界で最も小さな鳥です。
このハチドリという鳥は、非常に変わっており、ホバリング、つまり空中で止まることができるだけでなく、後ろにも飛べるという、小さいだけでなく、なんとも不思議な鳥なのです。
大粒のイエローベリルを花に見立て、蜜を吸うために飛翔するハチドリを描いています。ほかにもイエローサファイアやシトリンなど、全体に黄色い宝石を使い、ホワイトゴールドの鳥にダイヤモンドを埋め込んだ白さとの対比が見事です。
ブシュロンが大胆なのは、一つの宝石だけにこだわるのではなく、特にネックレスの部分とか、下の房の部分にもいろいろな宝石を交ぜて、同じ黄色でも微妙な色の違いを応用していることで、単純な同じ色の宝石だけのものとはちょっと違った味になっています。
それだけでなく、鳥の体や房のカバーの部分に、びっしりと極小のダイヤモンドを埋め込んだ作りは、さすがというほかはありません。作りや宝石の選び方に凝っている割には、全体に非常に軽やかな印象で、日本女性の好みにぴったりの、可愛らしい名作といえます。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2020年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。