2020年は、ドラマ9本、映画(配信含む)4本に出演。癖の強い役から好青年まで難なく演じ、引っ張りだこの実力派・浅香航大さん。歌集を読んでから映画を観る。その楽しみ方は……
2017年に発売された『歌集 滑走路』のあとがきを入稿した翌月、32歳の若さで命を絶った歌人・萩原慎太郎。いじめや非正規雇用を経験しながら、それでも生きる希望を託した彼の歌は多くの共感を呼び、話題になりました。彼のデビュー作にして遺作となった、この歌集をモチーフに制作された映画『滑走路』。「歌集から映画って、なかなか想像がつきづらいと思うんですけど」と話すのは、本作で非正規雇用問題に向き合う厚生労働省の若手官僚・鷹野を演じた浅香航大さん。
「歌集を読んでもらってから映画を観ていただけると、楽しめる要素がちりばめられていて。例えば、景色。風景を歌った歌もけっこうあるので、“あ、この景色はあの歌かな”とか“あれ食べてる!”とか、そういう楽しみ方もできる映画です」
浅香さん自身は、『歌集 滑走路』を読んで、「素敵な作品だと思いました。繊細で優しさの中に力強いメッセージがあって。ささやかな光がたくさんあるなっていう感じがして、疲れたときとかにふと手に取りたいような歌集なんですよね。ちょっと前向きになれるというか。寄り添ってもらえる」と思ったそうです。