鷹野を演じる上で、大庭功睦監督と決めていたこと
実は浅香さんにとって言葉はとても重要なもので、忘れたくない言葉や感銘を受けた言葉が部屋の壁にたくさん貼ってあるのだとか。
「そういう言葉だけじゃなくて、目標を書いたりもしてますし、短い言葉もあれば、文章とか歌みたいなものもあります。例えば、“素直”とか……。あとはなんて書いてあったかなぁ。“やってやる”とか、そんなことまで書いてあったりしますけど、素敵な言葉もたくさんあって。最近貼ったのは、“人生のステージも自分で作る”。たしかにな、と思って貼りました。今は全部で50枚くらいかな。見てると落ち着くんですよね」
映画では、浅香さんが演じる鷹野も、やはり言葉に影響を受けているのでは?と思うところが。ときには立ち止まることも必要だと言われても、鷹野は頑なに前に進もうとします。その裏には……。
「鷹野が十字架を背負った瞬間だなと感じるシーンがあって。そこでは、鷹野ってホントに弱い人間なんだなって思うんです。その反動じゃないですけど、弱くちゃいけない、前に進み続けなきゃ、強い自分でいなきゃっていう思いが、その瞬間から形成されていって、染みついちゃったんですね、きっと。だからこそ、(大庭功睦)監督と決めていたことがあって。鷹野は最後のシーンまで泣かない……というか、泣けないって決めていたんです」
部屋に貼られた言葉の中には、すぐに剥がすものも。それは「酔って書いてなんだかよくわかんないとか、愚痴がすぎる(笑)」もの。