八百万の神々が参集する 出雲大社の「神在祭」
旧暦10月の異称は「神無月」。全国の神々が出雲に集まり、各地の神様は不在になるということからの月名です。そしてこの月、諸国の神々は出雲において、大事な神議(かみはか)りをされるのだと古来、人々はいい伝えてきました。そのため出雲では旧暦10月を「神在月(かみありづき)」と呼び、神々を迎えるその期間、人々は神様の邪魔にならぬよう忌み慎み、畏敬の思いと感謝の心を新たにします。
『家庭画報』では2019年11月に神在祭の取材を行いました。2020年の出雲大社の神在祭は11月24日に神迎神事、神迎祭、25日から神在祭が執り行われますが、祭事は神職のみで行われ、一般の参列はできません。ただし境内での参拝は可能です。
稲佐の浜に神々をお迎えする神迎神事(かみむかえしんじ)
空を幽遠に朱く染めていた陽が水平線に沈むと、辺りに闇が降り始めます。旧暦10月10日。夕刻近い頃から徐々に増え始めた人の数は稲佐の浜を埋め尽くすほどに膨れ上がり、その時を待っています。 浜辺の一角には注連縄が張り巡らされ、祭壇が設けられています。海側には薪が積まれ、やがてご神火が焚かれました。
続きはこちら>>7日間に及ぶ神々の議り事に祈りを捧げて
神迎えの夜が明けた旧暦10月11日。この日から7日間の神在祭が始まります。本殿における午前9時からの神在祭に参列したいと多くの人が早朝から列を作るのですが、本殿手前の八足(やつあし)門内の1200の椅子席はすでに満席。中に入れない大勢の人は八足門の下で、習わしどおり二礼四拍手一礼で次々と拝礼していきます。
続きはこちら>>神々が参集する出雲で愛される工芸と美味
山陰地方で古来、出雲大社を核として歩んできた出雲には、暮らしを彩る工芸が発達し、独自の食文化が育まれてきました。今なお地元で愛され、出雲から発信される工芸と美味をご紹介します。
続きはこちら>> 撮影/小林廉宜 取材・文/松田純子 イラスト地図製作/ワークスプレス 取材協力/島根県観光連盟 出雲観光協会
※本特集の取材撮影は2019年11月に行いました。2020年の出雲大社の神在祭は11月24日に神迎神事、神迎祭、25日から神在祭が執り行われますが、祭事は神職のみで行われ、一般の参列はできません。ただし境内での参拝は可能です。最新の情報は出雲大社のホームページ(
http://www.izumooyashiro.or.jp/)でご確認ください。
『家庭画報』2020年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。