〔迷い世代の服選び〕
40代にこそ効く「ブランド力」
第31回 ジュン アシダのミナ・タン チャーム
今年は、「サステイナブル」が大きなトレンドとして、モード界を動かした年でした。サステイナブルな(=持続可能な)社会を実現するために、女性なら誰もが関心のあるファッションを通して、取り組みを始める時代が来たのだと思います。
もちろん、私自身も、お洒落を楽しみながら、社会貢献が叶うプロジェクトには大賛成! 第27・28回のブルガリでも社会貢献できるアイテムについて触れましたが、今回は、我々日本人が、「自分ごと」として参加したい、東北復興支援を目的としたジュン アシダの「ミナ・タン チャーム」をご紹介したいと思います。
高い「技」を通して
震災の地域復興を支援
私がこの「ミナ・タン チャーム」の存在を知ったのは、今から4~5年ほど前。ブランドの展示会にお伺いしたときに、このプロジェクトのお披露目があり、愛らしい動物たちのチャームに「なんて可愛いの~!」と目が釘づけに。
おおさわさんが、代官山の直営ブティックで初めて買ったのが、「ミナ」という名前がついた可愛らしい猫の「ミナ・タン チャーム」。「猫好きな私がひと目惚れして買ったのが、このチャーム。パニエ入りのスカートでドレスアップした猫ちゃんの可愛さったら! 猫グッズはたくさん持っていますが、中でもとびきり愛らしいプリンセスです」。聞けば、このマスコット付きチャームは、デザイナーの芦田多恵さんと、宮城県南三陸町の縫製技術者がコラボレートし、ひとつずつ手作りしているとのこと。東日本大震災後の2013年にプロジェクトを立ち上げ、チャームの売上金額から販売経費を除く全額が、工賃として技術者に支払われるといいます。
南三陸町の皆さんと芦田多恵さん。随時現地へ赴きワークショップを開催、信頼関係を築きながらさまざまな試行錯誤を繰り返してきました。自らもさまざまなボランティア活動を積極的にされている女優の藤原紀香さんもこのプロジェクトに賛同、たびたび一緒にワークショップに参加、応援してくれています。立体的な動物のチャームを作ったことがない皆さんに、ジュン アシダの技術者が懇切丁寧にプロセスを説明。メゾンのゆるぎないクオリティを保ちつつ、なおかつ可愛いチャームを目指しました。一針一針、丁寧に。ここにもジュン アシダならではのモノ作りの心が。最初はおぼつかなかったといいますが、次第に軌道に乗ってきたミナ・タン チャーム作り。すべてがオンリーワンのオートクチュール、世界に1つのチャームです。写真は第1回のワークショップ風景。日本を代表するブランドであるジュン アシダが、日本を勇気づけるためテキスタイルやソーイングといった自分たちが持つ力をもってスタートさせた「ミナ・タン チャーム」。単なる支援金という形にとどまらず、地域の人々に仕事の場を提供する形で支えていくという取り組みに、私は心から感激したのです。
可愛らしいチャームを買うことで、ほんの少しでも東日本大震災で被災した方々の力になれるなら、こんなに嬉しいことはないと思い、私も早速手に入れました。
リサイクルへの高い意識が
サステイナブルな社会への実現に繋がる
「ミナ・タン チャーム」には、キュートなアニマルモチーフのものがたくさん揃っています。それぞれ、可愛らしいお洋服を着ているのですが、それはジュン アシダの洋服を製作した結果として余った、端切れやパーツを再利用したものだそう。
「干支のアイテムが好きで、見つけると思わず買ってしまう」というおおさわさんが、昨年購入したイノシシの「ノーヴァ」と、今年買った女の子のネズミの「ミー」。「干支はラッキーアイテムとして持っているといいことが起きる気がして(笑)。『ミナ・タン チャーム』で、その年の干支の動物を見つけたら、今後も買い揃えていきたいです」私自身も、洋服作りに携わっていた経験があるので、どうしても出てしまう残り布やパーツがもったいないなと常々感じていました。それを無駄にせず、可愛いチャームにして新たな息吹きを吹き込むのは素晴らしいアイディアだと思いますし、ブランドのモノ作りへの深い愛を感じます。
こういう取り組みこそ、今、ファッション界で注目を集めている「サステイナブル」そのもの。私たちも、「買う」という行為を通して、積極的に協力していきたいですね。
次回は、可愛らしい「ミナ・タン チャーム」のファミリーをご紹介します。
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第32回 想いを伝えるギフトにも。お洒落のスパイス、動物チャームの楽しみ方>>●お問い合わせ
ジュン アシダ
電話 03-3463-8631
URL:
https://jun-ashida.jp・ジュン アシダ 2021年春夏コレクション スペシャルムービーを公開中。
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https://jun-ashida.jp/pages/jun-ashida