1月 銹絵絵替角皿
重要文化財《銹絵絵替角皿(さびええがわりかくざら)》 江戸時代 画=尾形光琳 作=尾形乾山 サイズ=縦22×横21.8×高さ3センチ 全10枚 色紙に見えるよう、素地に白化粧をほどこした角皿。兄・光琳が伸びやかな線で福禄寿や布袋、大黒天、鶴、梅、竹、菊などを描き、弟・乾山が賛と落款を添えて焼き上げた。選・文=藤田 清(藤田美術館館長)若くして莫大な遺産を引き継いだ二人。兄・光琳は自由奔放に遊び、弟・乾山は勉学に没頭し、それぞれの道を進む。
やがて、財産を使い果たした兄が陶芸で頭角を現していた弟のもとを訪れることで、二人の道が重なり始める。
光琳の伸びやかな線、洗練されたデザインは、遊びの極みから生まれたようであり、乾山の漢詩が知性と品格、緻密さを与えている。
時代を代表する二人の合作から、兄弟の歩んだ足跡と、新たな作品を生みだす愉しさが見えてくる。
所蔵作品のエピソードトーク
藤田 清館長と谷松屋戸田商店の戸田貴士氏による、所蔵作品のエピソードトークを動画でご覧いただけます。
撮影/小野祐次 構成/安藤菜穂子
『家庭画報』2021年01月号掲載。
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