――旅をする2人の若者が、時に反発し合いながら成長していく“ロードムービー”的な内容については、どう感じていますか?「若さゆえの勢いで暴走したり、逆に若いから柔軟に対応できたり。2人のキャラクターが真逆だからこそ、反発することがあっても支え合って歩いていけるんだろうなと感じています。最初はピュラデスがオレステスを引っ張っていくんですが、ピュラデスは排他的というか、オレステスと自分のことだけ考えて、周りのことはどうでもいいようなところがあって。そんなピュラデスに見えている世界が、旅の途中の出会いでどんどん広がって、いろいろなことに目を向けられるようになっていく。と同時に、人に自分の弱さを見せることができるようになっていくところが素敵だなと思います」
――杉原さんによる委嘱で脚本を書き下ろした、劇作家・演出家の瀬戸山美咲さんの平和へのメッセージも詰まっているように感じます。「それはすごく感じますよね。“復讐”という言葉が、この作品の重いキーワードになっていて、オレステスとピュラデスも旅の中でそういう感情にさいなまれます。復讐の波に飲まれたその若者2人が、どうやって視野を広げて、一歩ずつ前に進んでいくのかということが、丁寧かつ大胆に表現されている作品。自分たち人間の中にあるそういった負の感情と、どう向き合ったらいいかを素敵に教えてくれていると思うし、まさに“観たことのないギリシャ悲劇”をお届けできるんじゃないかと思います」
――復讐に絡めてお聞きしますが、濱田さんは人に何かされたとき、根に持つほうですか?「そうですね、取っておいたお菓子を食べられたとか、そういうことに対しては(笑)。まあ、代わりにジュースを1本おごってくれたりしたら、水に流しますけど。そういうところは意外と小っちゃい男です(笑)」
幼少期の夢は「ウルトラマンになること」。16歳のときにウルトラマンジードに変身する主人公・朝倉リクに抜擢されたことで、夢が叶った。