――子役時代から活躍していた濱田さんも今や20歳。成長ぶりに驚かされます。今夏出演した三谷幸喜さんの新作舞台『大地(Social Distancing Version)』では、キャスト最年少にしてストーリーテラー役をしっかり務めていて、実質的な初舞台とはとても思えませんでした。「実は、最初の1週間くらいは緊張しっぱなしだったんです(笑)。でも舞台は映像作品と違って、同じ芝居を何度も繰り返しやれるじゃないですか。少しずつ慣れて、役が自分の中に落ちてくると、いろいろなことが見えるようになって、やれることも増えていきました。同じ台詞を言っていても、お客さまに台詞や感情のキャッチボールを見ていただいているうちに、自分たちの中で湧き上がってくるものが変わってきて、芝居がどんどん変わっていくんです。それがまた面白くて」
――演じることが自分の仕事だ、ずっとやっていこうと意識したのは、いつ頃ですか?「2017年に『ウルトラマン』の仕事をやらせていただいたときです(テレビドラマ『ウルトラマンジード』で主人公を演じた)。イベントに出演したら、小さな子供たちがたくさん来てくれて、僕の『こんにちは』という呼びかけに、元気いっぱいの素敵な笑顔で『こんにちは!』と返してくれて。ウルトラマンが大好きで、ずっと“すごいな、あんなふうになりたいな”と憧れていた自分が、逆に子供たちにそんなふうに思ってもらえているんだと実感しました。子供たちのエネルギーに圧倒されつつも、すごく幸せな気持ちになって、この仕事をずっと続けていこうと思いました」
――それはたまらない体験ですね。そんな濱田さんが、演じるときにいちばん大切にしていることは?「キャラクターの感情の波です。人間って、感情一つでしゃべり方や動き方も変わってくるので、一つひとつの台詞や動きに対して、どうしてそれを言うことになったのか?どうして今このタイミングでそうしているのか?ということを考えるんです。それで、たとえば、ちょっと怒っているなら、ちょっと怒ったコップの取り方をする。キャラクターを理解しつつ、その中で今どういう感情の波でいるのかを考えて、演じるようにしています」
三谷幸喜監督の映画『記憶にございません!』への出演がきっかけで、舞台『大地(Social Distancing Version)』への出演が決まったという。