指先で舞うまばゆい蝶々の圧倒的な存在感
6つの大きなペアシェイプのダイヤモンドで、軽やかに羽ばたく蝶々をかたどったリング。遠目にも視線を集める蝶々に対して、極細のシャンクの華奢さというコントラストも粋です。リング(WG×ダイヤモンド計24.45ct×ピンクダイヤモンド0.08ct)6134万円(参考価格)/ショパール ●お問い合わせ/ショパール ジャパン プレス TEL:03(5524)8922ブローチではなく指輪にデザインする大胆さ
解説/山口 遼(宝石史研究家)
久々に大胆不敵といってもよいデザインのジュエリーをご紹介します。「ショパール」のダイヤモンドの蝶々の指輪です。
外形が全てドロップカットで、7カラット超から2カラットまでのダイヤモンドを合計6個取り揃え、羽を広げた大きな蝶々をデザインしています。
おそらく特注なのでしょうか、普通のカットよりもテーブル面――中央の平たい部分のこと――が大きいものを使っています。
しかも、よくみてください。蝶々の触角の部分には、ピンク色のダイヤモンドを使うという凝りようです。
こうした大胆なデザインを見るとき、私はいつも思うのです。これは最初からダイヤモンドがあってデザインしたのか、デザイナーがデザインを描いたものを、石を集める専門家が四苦八苦しながらダイヤモンドを集めたのか、と。
まあ、どちらにしてもこれを指輪にしたのは、大胆としかいいようがありません。普通なら、これだけ石が揃えばブローチにします。例えば中指にしたら、人差し指と薬指もほとんど覆うような大きさです。
ショパールはスイスのウォッチ&ジュエリーメゾンですが、現在の共同社長兼アーティスティック・ディレクター、キャロライン・ショイフレのクリエイティビティには、自由さがあります。この指輪には、それがはっきりと出ています。
こんな蝶々がひらひらと飛んできて、自分の指に止まってくれたら、嬉しいですよね。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。