遠州茶道宗家夫人として、お客さまや生徒さんなど、多くの来客を切り盛りする小堀貴美子さん。
「とらや」とは先代のお家元の頃からのおつきあいで、さまざまなシーンでお菓子を利用するといいます。
新年に合わせて毎年用意する、干支と家元の花押の焼き印が入った白木の枌盆(へぎぼん)に「撫で牛」を、桐鳳凰文 七宝楓文 蒔絵の菓子器に「実りのきざはし」を盛って。「やはり羊羹にはお抹茶が一番です」と貴美子さん。「羊羹は日持ちがするので、おつかい物にも重宝します。コンパクトな中形サイズは、少人数のご家族のかたにもお渡ししやすいですね。季節を彩った羊羹は、日頃のお茶会でもお出しします。今年の御題羊羹『実りのきざはし』は階段を模したデザインが美しく華やか。手間隙をかけて作られていることを感じます」。
昨今は世界各国からのお菓子も種類豊富ですが、羊羹を食べると、日本人が従来から親しんできた味わいにほっと安心するそう。
「小豆や寒天から作られる羊羹は健康食としても見直されています。お抹茶と合わせていただけば、寒い時期も健やかに過ごせそうです」。
宮中歌会始のお題「実」にちなんだ御題羊羹「実りのきざはし」、干支羊羹「撫で牛」。パッケージにも絵柄がデザインされている。中形羊羹2本入3800円(1月中旬まで販売予定)/とらや 赤坂店小堀貴美子(こぼり・きみこ)さん
外資系企業に勤務後、遠州茶道宗家13世家元の小堀宗実氏と結婚。家元の仕事を支えながら、茶道文化の普及活動にも積極的に取り組む。 表示価格はすべて税抜きです。
撮影/中川真人(人物) 本誌・大見謝星斗(静物)
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。