第34回
「神号」と噂される最新号の制作裏話&メッセージ
04 エディター 相澤慶子さん編
皆さま、創刊40周年記念の『
家庭画報特選 きものSalon 2020-21秋冬号』は、もうご覧いただけていますでしょうか。『きものSalon』本誌の発行は年に2回。次回発売まで、まだまだ楽しんでいただくために、各特集の担当編集の先輩に制作時のお話や、きものへの想いなどを伺いました。
表紙のような着こなしでどこへ?
最後は、きものSalonの表紙や、ファッションページを担当するエディター相澤慶子(あいざわけいこ)さん。記念すべき40周年記念号の表紙も担当されました。わたくしE子が表紙のような美しいコーディネートを組むにはどうしたらよいのでしょうか。早速伺いたいと思います。
相澤慶子さん(以下、相澤)「それではE子さん、表紙のような着こなしをして、どこへ出かけるの?」
そう問い返されてしまいますと、即答ができません……。
相澤「表紙は、綺麗で、憧れてもらえるきもの姿を見せたいと思って選んでいるんですよ。E子さんに必要な着こなしかといったら、今はまだ少し違うかもしれないわね。
だからと言って、私には関係ないと諦めず、それを着こなす努力は大切だと思います。そして主役のきものを着たときは、胸を張って堂々としてくださいね。たった一度の人生、「あの人、素敵ね」と思われる女性を目指しましょう。
美人きものの道へのアドバイス
相澤「「いま着たい 美人きもののすすめ」という特集ページで、普段の装いに取り入れやすいコーディネートをご紹介していますから、ぜひ参考にしてみてください」
私も紬や小紋での装いにも華やかさを出したいのですが、色の組み合わせに戸惑ってしまい、つい渋い色を選びがち。若々しさが足りないと先輩方からご指摘を受けます。
相澤「普段着ている洋服でも、ビビッドカラーを挿し色に使ってみるなど、色を意識してみると練習になるのではないでしょうか」
おしゃれな着こなしは足元から
相澤「最近は、ほっそりとスレンダーに見せたい女性が多いかと思います。きものを着たら、鏡をたくさん見てください。色々な角度から見ることをお勧めします。それからもうひとつ、草履選びにこだわりを。
紬などの街着には台の低い草履をと言われていますし、背の高い方は粋に見えます。お好みかとは思いますが、背が低い女性が、もう少しスタイルよく見せたいと悩んでいるなら、少し高めの草履をおすすめします。高ければいいというのではありませんから、購入の際はお店の方と相談しながら、バランスをみて選んでくださいね。
また、履き方にも注意が必要です。履きこみすぎず前つぼに指を全て入れないようにして、足の指を必要以上に前から出さないこと。そして、かかとは収まり切っていると、草履が大きく見えてバランスが悪く、美しく見えません。少し出ている感じがよいと思います」
ここぞというときはプロに委ねても
相澤「それから、大切な場面では無理をせず、着付けやヘアをプロに任せるという選択肢もあってよいと思います。人生の節目では、写真をたくさん撮ります。思い出としてずっと残るものですからね。
いきなり着付けを頼んで、相性が合わないということを避けるために、事前にお気に入りのお店を見つけておくとよいと思いますよ」
相澤さんにはきものを美しく着るための覚悟やこだわるポイントを教えていただきました。E子も、日ごろのちょっとしたこだわりで養えることがありそうです!
皆さま、もう一度誌面をめくりたくなってきたのではないでしょうか。数少ないきもののファッション誌。その中でも、美しいヴィジュアルと丁寧に解説された歴史まで、一挙に見られるのは『きものSalon』ならでは。写真集のようであり、図録や教科書のようであり、モード誌のような『きものSalon』。
次号が発売されるまで、まだまだご堪能いただけるかと思います。
とはいえ、編集部は次号に向けてすでに動き始めております。発売は2021年3月1日予定です。ぜひお楽しみにお待ちください!