365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
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ゲストの一覧 【お悩み】忙しさに追われて、リラックスできません
毎日忙しく、なかなかゆったりできる時間がありません。短時間で心身ともにリラックスできる方法はありますか?
【回答】自然音を聞いて副交感神経を活性化させましょう
一日中ピリピリしがちな現代人は、アクセルである交感神経がたかぶり、ブレーキ役の副交感神経の働きが弱いという状態が続きがち。自律神経が乱れると、血流も悪化し、怒りや興奮をコントロールできないといった症状が現れることもあります。
そんな自律神経を整えるための方法として、『自律神経の名医が教える長生き事典』の著者で順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生がおすすめしているのが、「自然音」の力を活用すること。自然音とは、鳥のさえずりや川のせせらぎ、雨や風の音、虫の鳴き声といった、自然界に流れるさまざまな音のことです。
心身ともにリラックスし、過去と向き合う「自然音には、音楽と同様に、副交感神経の働きが活発になり、リラックス状態をもたらすといった効果が期待できることがわかりました。昂(たかぶ)った交感神経の働きを鎮め、ダウンしてしまった副交感神経の働きを高めてくれるのです。
また自然音は、昔の記憶を呼び起こすことがあります。幼少期など過去の自分を回想し、自分自身を客観的に見つめ直すきっかけになります。こうした過去と向き合う行為は、自己肯定感を取り戻す作業にもなり、自然音はそれを優しくサポートしてくれます」(小林先生)
1日3分でいいので、自然音に耳を傾ける自然豊かな場所に旅行に行くのもいいですが、今は、動画配信サービスや音楽配信アプリで「自然音」などと検索すれば、多くのコンテンツが表示され、無料で手軽に聴くことができます。
「出勤前、通勤途中、昼休み、就寝前などいつ聞いても大丈夫。“ちょっとイライラしているな"“つらいことがあって落ち込んでしまう"“睡眠不足で体調が悪い"など、体が注意信号を発したら、意識的に自然音を聞きましょう。もちろん習慣にすることで、自律神経の安定効果が継続されることが期待できます。
ぜひ時間や場所を問わず、1日3分でいいので、自然音に耳を傾けてください。乱れた自律神経のバランスをスピーディーに立て直すことができますよ」(小林先生)
小林弘幸/Hiroyuki Kobayashi
順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1960年生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科等の勤務を経て順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任、現在に至る。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手等のパフォーマンス向上指導に携わるほか、日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト。
イラスト/umao 編集協力/山岸美夕紀
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