——共感できないときは、どのようにして役にアプローチしますか?「実は僕、自分に近くない役のほうが、その人になりきりやすいんです。自分にはその人になる素材はないけど、情報をいっぱい入れられるから。逆に自分に近いと、これでいいのかなっていう気持ちが強くなるし、怖くて。自分が出そうで、不安なんです」
——そういう意味では、ニールは演じやすい役?「それが半々なんです。中学のときはクラスの真ん中のほうで、みんなとわいわいしていたこともあったので、そういうところはちょっと似ていて。もちろん僕らしさも大切だと思うので、自分を出したいとも思うんですけど、クラスメートとわいわいする場面とか楽しすぎたら、出過ぎてしまわないか心配です」
——そんな話を聞くと、友達といるニールと父親の前にいるニールをどう演じるのか、ますます楽しみになります。瀬戸さん自身は今、楽しみにしていることはありますか?「一番は、クラスメート役のみんなと会うことです。それから、佐藤隆太さんとのお芝居も。本当に心に響くお芝居をしてくださると思うので、それを自分が受け止めて、どう素直に返せるか、僕の体がどう反応するのかを楽しみにしています。あとは今回、大阪と愛知でも公演があるので、劇場が変わるっていうのも後半のいいスパイスになると思いますし、劇場とかホテルで食べるお弁当だったりに大阪っぽいものとか愛知っぽいものが入っていたらいいなって。それが楽しみです」
演出の上田さんと会い、「フランクな方で、思ったことはすぐ言ってくださるだろうし、僕も相談しやすいなというふうに思いました」。