心新たに――。新しい一年を節目に暮らしを刷新する
神奈川県真鶴岬、三ツ石と初日の出。元日の朝、注連縄のかかる岩の間から日が昇る。日の出時刻は6時51分頃。写真/アフロ日本の暮らしのコンセプトに、「刷新する」「一新する」という考え方があります。身近なところで言えば、年末になると障子の貼り替えや庭先の竹垣の仕替えを毎年、繰り返す家がありました。長くはもたない紙や竹を住まいに仕組んであるのは、刷新の清々しさをもたらす仕掛け。授与されたお守りを新年にお返しして新しいものを授かる、期間を定めて神社の社殿を造り替えて、神座を移す遷宮の儀式もまた同じことです。
「一新すること」に特別な喜びを感じるのは、日本人固有の美意識。命あらたまって、清々しい――それはやつれてきた生命を蘇生させる仕組みであり、生まれ変わりや再生でもあります。年末の「年忘れ行事」は、一年の節目を境にして、いやなことはその年に押しとどめてしまいたいという庶民の願い。
初富士元旦の富士山のご来光。「初富士」は、新年を迎えて仰ぐ富士山を表す正月の季語。「赤富士」は、風水の観点からも縁起がよいとされる開運モチーフ。写真/ tropicalisland・PIXTA2020年は残念ながら未曽有の困難が世界中を覆い尽くし、暗く厳しい一年となりました。新しい一年は、気持ちを一新し、積極的に福をお招きして、縁起よく迎えていただきたいーそんな願いを込めて、家庭画報新年号ではあなたを「開運の地」へと誘います。