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“きものの美”を誰かを救う力に変えたい! ボストンでスタートしたプロジェクト

2020.12.11

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自立することを忘れかけていた私を変えた夫の言葉


私がこのボストンできものの仕事をしているのも、夫のアダムのおかげだったりします。

私は、息子が赤ちゃんの時に英語もしゃべれないままアメリカに移住し、しばらくは子育てをしながら、家でひたすら夫の帰りを待つ生活を送っていました。

独身時代にやっていたダンサーの仕事は浮き沈みが激しく、安定した生活なんて夢のまた夢でしたので、当時はそれでいいと、心から満足していると思っていました。


ですが息子が3歳の誕生日を迎えた日、アダムから「聖子、あなたは今まで素晴らしいお母さんだったし素晴らしい奥さんだったね。本当に感謝しているけど、もうそろそろ本当の自分に戻っていいんだよ」と言われたのです。

私がアダムと出会った頃は、毎日自分の好きな仕事をして好きなように生きていました。舞台で踊る私を見て、そんな私に恋してくれたアダムにとっては、きっとアメリカで暮らす私はまるで違う人間に見えたのかもしれません。

10年前の初デートの写真を発見。もちろん私は若く、そして細い!でも正直、今の自分の方が好きです。

アメリカに来て以来、何から何までアダムに頼り、おんぶに抱っこの生活。携帯電話ってどうやって契約するの?健康保険ってどうなってるの?病院?一人で行けるわけないじゃん。何も分からないからアダムさん、全部よろしくお願いします!と頼り続けた結果、3年経っても何もできない私がいました。そんな自分が恥ずかしく、もどかしく思っていました。

せっかくアダムに背中を押してもらったにも関わらず、ただ焦り、空回り、相変わらず何もできない自分にどんどん自信をなくして行ったのです。

そんなある日、家族で長距離ドライブをしていたときのこと。

お互いの昔話をするなかで、私がアダムと出会うずっと前に結婚を約束した人がいたことを初めてアダムに話したところ、最後まで話を聞いた彼がぽつりと、「あぁ、良かった。聖子がその彼と結婚しなくて。もしも結婚してしまっていたら、ぼくはまだ世界中を旅して君を探し続けてたんだね。あぁ、良かった」と言ったのです。

その言葉は、結婚以来すっかり自信をなくした私の目の前にかかっていた濃い霧を一気に晴らしてくれるほどのパワーでした! そして、あまりにも何気なくその言葉を言ってくれたアダムへの感謝の気持ちが込み上げ、その場で号泣してしまったのです。

どんな自分であっても、どんな仕事をしていても、この人は私を愛し続けてくれているのだと知り、それが自信となり、こんな私でも、このアメリカで人の役に立つ人間になりたい!役に立つ仕事がしたい!という明確な思いがメラメラと湧き上がってきました。

ダンサーを辞めてもなお自分の中に残ってくれているスキルと情熱は何なのか……目を向けるとそこには「きもの」というキーワードが浮かんできたのです。


人生の転機とは、何気ない日常の中に突如降ってくるもの。現在もコロナウイルスによるパンデミックの影響で、出口の見えない暗いトンネルの中をとぼとぼと歩き続けているように感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

何を隠そう、私たちもその中の1人です。ですが、今までもそうだったように1つの扉が閉じた瞬間、それは違うドアが開くチャンスなのです。

“When one door closes, another door opens.”

これはアダムが教えてくれた、私の大好きな英語のフレーズ。

次のドアを見つける努力さえし続ければ、思いもよらぬ新しいドアが開くと信じ、これからもここボストンで夫婦二人三脚で頑張っていきたいと思います。


きものの美と、女性たちの力が誰かを救う大きな力に!


ドア探しに忙しい私は現在、ボストンで活躍する日本人女性を巻き込み、きものチャリティーカレンダーを制作しています。この地に根を下ろし、各方面で突出した才能を輝かせる12人の女性たちを和服美女に変身させ、1冊のカレンダー(2021年発売予定)に仕上げていきます。

ボストンでアロマテラピーサロンを経営する川波久子さん。

ハーバード大学医学部助教授の内田舞さん

カレンダーには、フィギュアスケートのオリンピックメダリスト長洲未来さんも登場いただく予定なんですよ!

そしてこのカレンダーの売り上げはすべて、米国マサチューセッツ総合病院小児うつ病センターと日本国立成育医療研究センター小児がん疫学にそれぞれ研究基金として寄付されます。

きものの美と、女性たちの力を合わせれば、誰かを救う大きな力になるやも知れないと、毎月ワクワクしながら撮影にいそしんでおります。

そしてもしかするとこれが私の新しいドアとなるかも……! こちらの活動については、私のFacebookなどを通して見守っていただければ幸いです。

長いお話でしたが最後までご覧くださいまして、ありがとうございました! また皆さまにお会いできる日が訪れますように。その時には、我が家のブルーマン(アダム)も舞台に復活し、再びパフォーマーとして光り輝いていてくれればいいなっ!と願うばかりです。

北川聖子/Seiko Kitagawa

元プロダンサー。世界的エンターテイメントグループ「ブルーマン」の一員である夫と結婚しアメリカへ移住。 その後、きもののレンタルや着付けを行うスタジオをオープンさせる。“きものの魅力を世界に伝える!”という使命を自らに課して全う中。
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