——本作に限らず、役を演じるときは、自分と共通点を見つけて膨らませていくのか、一から作るのか、どちらでしょう?「両方です。私は福岡(出身)ですけど、九州の血というかDNAみたいなものがあるので、今回はそれを活用していくパターンですよね。プラス、親戚とのやりとりとかも懐かしい部分もあるし、地元のお友達を思い出したりもして。だから、今回はまったく自分と違うという役ではないですね」
——妹のハナ(若月佑美)に対する思いにも納得できますか?「そこは、自分とは違う人生なので、想像力になってきますね。例えば、あのとき妹は小学何年生で、卒業するとしたら今度は何々中学校に入って、そうするともっと自我が出てきて思春期になって、少し言い合いが増えたのかな、でも年の離れた妹はかわいくてしょうがないだろうな、お弁当も作ったのかな……って。脚本には書いていない好香の辿ってきた道、描かれていない妹との関係性とか思い出をどんどん遡って自分で作っていくというか。そういうことを今、やっている感じですね」
——では、稽古を前にして今、楽しみにしていることはありますか?「稽古が始まったら、自分の強化する部分とか課題が出てくるので、そこをまずどれだけ後悔せずにできるかみたいなところが今、目の前にあって。稽古はもちろん楽しく、ですけど、楽しみは本番にとっておいて、一生懸命やるっていうのが最初のテーマです」
本多劇場は、「役者だったら立ちたいと思う舞台。笑いと温かさのあるお芝居が、あの劇場には合いますよね」。まさに本作はぴったり!