365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
記事一覧/
ゲストの一覧 【お悩み】食べ物が噛みにくくなりました
80歳を超えた母親ですが、口元が衰えてきたのか、食べ物が噛みにくくなってきたようです。改善する方法はありますか?
【回答】「ベロ出し体操」でモグモグ力をアップ!
人間は、加齢に伴い、全身のさまざまな部分が衰えます。
食べ物を口の中に入れて噛み、飲み込む準備をする「咀嚼力(そしゃくりょく)」も、食べ物や唾液を気管に入らないように食道に入れて飲み込む「嚥下力(えんげりょく)」同様、加齢とともに衰えていきます。
「最近、ものが噛みにくくなった」と感じたら、「咀嚼力」が低下しているサインかもしれません。咀嚼の機能を鍛え、食べる機能を維持することが大切です。
噛んで飲み込む5つのステップ日頃当たり前に行っている「噛んで飲み込む動作」は、実はとても複雑。実際は、無意識に複数の段階が並行して行われていますが、その機能から5つの段階に分けられます。
・step 1
食べ物の匂い、色、つや感などをしっかり認知して唾液を出し、食べ物を迎える準備をする
・step 2
口の中で食べ物をまとめる
・step 3
食べ物を口の奥に送り込む
・step 4
食べ物を食道に送り込む
・step 5
食べ物が胃に入る
食べ物を口の中に取り込み、噛んでまとめたり、食べ物を送り込む際には、歯だけでなく、ほお、唾液、そして舌が重要になります。
今回は、医学博士の藤谷順子先生の著書『ムセはじめたら、「1分のどトレ」』より、食べ物を歯の上にのせたり噛んだりする「モグモグ力」を鍛える「ベロ出し体操」を紹介します。
舌の柔軟性が上がり、筋力もついて咀嚼しやすくなるため、食べ物を送り込む力も上がります。
『ムセはじめたら、「1分のどトレ」』では、咀嚼力、嚥下力などの「食べる力」を支える「5つののど力」を鍛えるさまざまな「のどトレ」を紹介しています。衰えてしまってからではなく、衰える前にまんべんなく鍛えるのがベストですから、気になる症状がない方もぜひスタートしてみてください。
咀嚼力を鍛える「ベロ出し体操」を実践!
藤谷順子/Junko Fujitani
国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科医長。医学博士。筑波大学医学専門学群卒。東京医科歯科大学神経内科での研修後、リハビリテーション科医師となる。東京大学医学部附属病院、国立療養所東京病院、埼玉医科大学病院、東京都リハビリテーション病院等を経て、2002年より現職。著書多数。
イラスト/umao 編集協力/山岸美夕紀
質問・お悩みを募集中!・・・読者の皆さんからのお悩みや質問を募集しています。
こちらのフォームからお気軽にお寄せください。