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福を呼ぶ“七福神巡り”。京都「都七福神」ほか全国各地の名コースをご紹介

2020.12.15

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一陽来復、美しき、新年の幕開け「しあわせ満ちる開運の地へ」 第5回(全13回) 2020年はこれまでにない混迷が世界中を覆い尽くし、見通しのきかない一年となりました。新しい一年は、心機一転、気持ちを一新し、積極的に福をお招きして、縁起よく迎えていただきたい。そんな願いを込めて――開運へと導く場所と、福を呼ぶ暮らしを紹介します。前回の記事はこちら>>

福を呼ぶ七福神巡り


宗教も出身国も異なる7柱の神様をお参りして御利益をいただこうという日本ならではの七福神巡り。歴史ある京都の「都七福神」の寺社を巡るうちに、庶民に親しまれる神々の個性が見えてきます。

室町時代から続く発祥の地・京都へ


「七福神巡り」とは、異なる7柱の神仏を祀った7つの寺社を巡礼することで、今では全国に100か所以上のコースが存在します。室町時代に京の町衆が始めたのが最初とされ、由緒ある京都の「都七福神」の一つ、京都ゑびす神社の宮司、中川久公(ひさただ)さんは「御利益(ごりやく)の多い神様に数多くお参りすれば、それだけたくさんの御利益がいただけるだろうという、寺社側ではなく民衆ならではの発想には、豊かさや自由さが垣間見えます」と語ります。

(1)商売繁盛を叶える。実は唯一の日本の神様
【恵美須神】京都ゑびす神社



京都ゑびす神社
宮司の中川さんがお持ちの色紙状のものが、都七福神の御朱印をいただくための大護符(書き込まれていないものは3300円)。巫女さんが手にしているのは福笹と福箕の飾り(2万5000円)。

七福神の顔ぶれは時代ごとに変遷してきましたが、現在定着しているのは、恵美須神(京都ゑびす神社は「ゑびす神」)、大黒天、弁財天、毘沙門天(びしゃもんてん)、福禄寿、寿老人(じゅろうじん=寿老神とも)、布袋尊(ほていそん)の7柱。寺社混合で宗派もばらばら、しかもインドや中国の神様も交じっており、なんともおおらかです。

ゑびす様の福箕
1982年に二の鳥居に設置されたゑびす様の福箕(ふくみ) 。投げたお賽銭が箕に入ると願いが叶うといううわさが広がり、投げる人が増えたため、下に熊手を追加。ただし、混雑する新年の「十日ゑびす」の時期は投げられない。

七福神巡り向けの御朱印や授与品がいただけることが多いのも楽しみの一つ。年間を通じて行っているところもあるので、2021年は三が日を過ぎてから、あるいは週末ごとに少しずつ巡るのもいいかもしれません。

宝船、福鈴
新年に授与される福笹を飾る縁起物。宝船、福鈴各1800円、ゑびす様の土鈴1200円。

絵馬
干支の絵馬の図柄は宮司が描くのが、先代からの習わし。

古くから漁業の神様として信仰されてきた、釣り竿と鯛がトレードマークの恵美須神。次第に伊邪那岐神(いざなぎのみこと)と伊邪那美神(いざなみのみこと)の子の蛭子(ひるこ)や、大国主神(おおくにぬしのみこと)の息子の事代主神(ことしろぬしのかみ)と結びつき、商売繁盛の神様へと発展していきます。七福神の中で唯一、日本発祥の神様といえます。

京都ゑびす神社は街中のこぢんまりした神社で、ご祭神は事代主神と同一の神様。ご神体は非公開ですが、参拝者が親しみを持てるようにという先代宮司・中川 清さんの考案で、境内の随所にゑびす様の像が安置されています。毎年1月10日前後はゑびす様の生誕を祝う「十日ゑびす」が行われ、福笹や縁起物を求める人々で賑わいます。

巫女さんの神楽舞
福笹は巫女さんの神楽舞によって一度祭壇に奉納し、神様にお喜びいただいたうえで、そのお下がりとして授与される。

京都ゑびす神社
京都市東山区大和大路通四条下ル
TEL:075(525)0005
9時〜17時
京阪「祇園四条駅」、市バス「四条京阪停」下車
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