(2)怖いインドの神がにこやかな豊作の神に変身
【大黒天】妙円寺・松ヶ崎大黒天
本堂の奥に安置されたご本尊の身代わりである「前立本尊」の大黒様。ご祈禱をお願いすれば参拝することができる。打ち出の小槌と大きな袋を持ち、米俵の上に乗った大黒天も親しみやすい神様ですが、ルーツはなんと破壊を司るインド・ヒンズー教の神、マハーカーラ(マハーは大、カーラは黒の意味)。「大黒」が「大国」に通じることから大国主神(おおくにぬしのみこと)と結びつき、いつしか怒りの形相は柔和な笑顔に。台所、食物、財宝を司り、やがて豊作や家の神としても庶民に広く信仰されるに至ります。
都七福神の大黒天は「松ヶ崎大黒天」の別名で知られる妙円寺。木々に囲まれた閑静なお寺です。普段は開帳されていませんが、予約してご祈禱をお願いすれば前立(まえだち)本尊様を参拝できます(60日に一度の甲子〈きのえね〉祭の日は予約不要)。
本堂の前には「なで大黒」の石像があり、体の悪い所を撫でると御利益がある。小槌絵馬800円。大黒さんの絵馬、おみくじ(下中)、お守り各600円。小槌お守り500円。妙円寺・松ヶ崎大黒天京都市左京区松ヶ崎東町31
TEL:075(781)5067
9時〜17時
市バス「松ヶ崎大黒天停」下車
(3)長い頭が目印。人間の寿命を管理する神様
【福禄寿】赤山禅院
福禄寿殿には厨子に入った小さな福禄寿神が祀られている。杖に結んでいるのは巻物。普段は開帳されていない。頭が長く、かつ長いあご髭をたくわえた翁の姿をした福禄寿は、福、禄(財)、寿(寿命)の三徳を備えた中国の道教の神様。南極星の化身、または閻魔大王(えんまだいおう)の横で帳面をつける泰山府君(たいざんふくん)が天にあるときの姿ともいわれます。
京都市の北東にある赤山禅院(せきざんぜんいん)は紅葉の名所として知られ、本殿には泰山府君、奧の福禄寿殿に福禄寿をお祀りしています。福禄寿の由来をわかりやすく解説してくれた執事の植野圓俊さんいわく「七福神はそんなに肩に力を入れてお参りする必要はないから、みんなが気軽に巡って笑顔になってくれればいいと思う。空いてる日のほうがマイナスイオンが多く、おすすめです」。
福禄寿殿福禄寿のお姿みくじ(各500円)は手描きで一つ一つ表情が異なる。右端は中に小さな七福神が入ったお守り(800円)、左端は福禄寿神の肌守り(200円)。赤山禅院京都市左京区修学院開根坊町18
TEL:075(701)5181
9時〜16時30分
市バス「修学院離宮道停」下車徒歩15分