シャツ7万8000円 スカート19万円/ともにラルフ ローレン コレクション(ラルフ ローレン) 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー50歳を過ぎて感じるようになった残り時間の愛おしさ
誰よりも苦しみ抜けば、よい作品が作れるのかというと必ずしもそうとも言い切れません。幸運の女神様に愛されている竹内さんが作り出す曲だからこそ、万人への愛と誠意とおおらかさがあるのでは……。そんな歌の力がストレートに伝わったのが、19年年末の『紅白歌合戦』です。初出場の竹内さんが披露した「いのちの歌」は08年に作られた曲ですが、1ミリの古さもなく、聴く人の心を震わせる圧巻の舞台となりました。
「『いのちの歌』が私の代表曲というわけではないのですが、あの歌詞はふだん私が感じるままの気持ちを真っ直ぐに表した歌なので、皆さんの心にもスッと届く曲だったのかもしれませんね。全国から大きな反響が届いたことによって、むしろ私のほうが逆に励まされた気がします」
ドラマや映画からテーマをもらって物語を作っていくことが好きだという竹内さんですが、年齢を重ねるごとに「いのちの歌」しかり、「人生の扉」しかり、素の自分がふと感じることを言葉にして歌ってみるのもいいな、と思うようになってきたそうです。
信頼できる大親友、最高のパートナーに出会えた幸運。
私、前世ですごくいいことをしたのかな (笑)
「50歳過ぎてからですね。友人が病気で亡くなったりして、人生が終わっていく実感を持つことが増えてきました。あと何回桜を観られるんだろう、あと何枚アルバムを作れるのだろうと考えるとそう多くはないんですよね、自分の年齢を考えたときに。人間は生まれたら、歩いていくその先には誰にでも必ず死がある。そこに向かうプロセスが人生だとしたら、日々を少しでも笑顔で過ごせるように、小さな時間を有難く生きていきたいと感じています。だからこそ、一曲一曲を大事に作っていきたいと」