人生はいつかは終わる。だからこそ一曲一曲を、一日一日を大切にしたい
曲の提供は、ライフワークとして続けていきたいという竹内さん。
「実はNHKの『みんなのうた』で12月1日から流れるのですが、広末涼子さんに23年ぶりに『キミの笑顔』という曲を書いたんです。『MajiでKoiする5秒前』を書いたときは、たまごっちを持って制服で歌入れに来ていた16歳の女の子が40歳になり、3児の母になって女優を続けている。そんな涼子ちゃんがどこかのインタビューで“たくさん笑っている人ほど、痛みや苦しみを知っていると思う”と話していたのを読んで、そのまま歌詞にしました。長い年月を経て再会し、重ねてきた歳月に想いを馳せて曲を作れるなんて、これぞ醍醐味ですよね。大人になった彼女の温かさや母性を垣間見られて感慨深かったです。そして、私はやっぱり誰かに曲を作ることが好きなんだと実感しました。もともと裏方志向、職業作家タイプなんでしょうね」
20年は大晦日の紅白出場もあり、少し変則的だった山下家のお正月。21年は例年どおり、家族でゆったり過ごす予定です。
「元日には毎年必ず、近所の氏神様に皆で初詣に行ってから、お雑煮をいただきます。お雑煮は達郎の亡き母のレシピなんです。彼女は仙台生まれなのですが、特に仙台風というわけではなく、独自の沢煮椀風お雑煮。限りなく細切りにしたごぼう、人参、大根と、鶏肉、しらたきを入れた澄まし仕立てに三つ葉と湯葉を添えてでき上がり。お餅は出雲の丸餅です。家族全員、このお雑煮が大好きなので、達郎の母譲りのお雑煮、これだけは娘に継ぎたいと思っています。そんなわけで大晦日の私はひたすらせん切りしています」
2021年の大きな目標は7年ぶりのツアーの成功。皆さんに会いに行きます
そして、音楽活動においては嬉しいアナウンスがありました。なんと、14年以来、7年ぶりの全国六大都市を回るアリーナツアーが決定!
「待っていてくださるかたがいるということと、こんなにいい音を出してくれるメンバーや私が元気なうちに、全国を回っておきたいと思いまして。感染予防対策で席数は減るのかもしれませんが、状況を見ながらやれることをやろうと。それが21年の大きな目標です。この大変な状況を経たからこそ、皆さんと分かち合える特別な想いがあるように感じています。再会の感激のあまり、私のほうが舞台で泣かないようにしなければ(笑)。皆さん、会える日を楽しみに待っていてくださいね」
2018年公開の『souvenir the movie~MARIYA TAKEUCHITheater Live~』がスペシャルエディションとして初の映像ソフト化。3度のライブツアーや山下さんとのデュエット、プロモーションビデオも収録。ブックレットのご夫婦対談は必見。●20年11月18日発売。〈Blu-ray〉9000円、〈DVD〉8000円(ともに税抜き)。 撮影/伊藤彰紀〈aosora〉 スタイリング/斉藤伸子 ヘア/松浦美穂〈Twiggy〉 ヘア&メイク/COCO〈関川事務所〉 取材・文/小松庸子
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。