心も体もしなやかに、今を丁寧に生きること。大地真央さん×黒木 瞳さん【特別対談】

「軽やかに、柔らかく――。いつでも“挑戦できる人〟でいたいから」

黒木　私はもともと朝が早いのですが、自粛期間中はさらに早く、3時か4時に起きていました。5時に夫を起こして1時間ほど一緒に散歩をして、家に戻ると私は洗濯をしたり一日分の料理を作ったり。……真央さんはどんな日常を過ごされていましたか？

大地　結婚して14年目になるけれど、夫との時間をこんなに長く過ごしたのは初めてだった。それは新鮮で楽しかったわよ。一緒にお料理を作ったり、私は初めてケーキを焼いて失敗もしたけど(笑)。ずっと家にいるのだから普段できないことをやろうと、家庭菜園や物の整理、部屋の模様替えも。

自粛生活で気づかされた家族と仕事の大切さ

黒木　わが家も家族3人がいつも家にいて、「行ってらっしゃい」も「お帰りなさい」もいわない毎日でした。その中であらためて家族の存在がかけがえのないものに思えて、私にとっては豊かな時間だったのかもしれません。

大地　舞台公演もことごとく中止になって、当たり前が当たり前でなくなったことがとても切ないけれど、だからこそ今できることに丁寧に取り組みたいと思ったの。8月に久しぶりに帝国劇場でのコンサートに出たときは、お客さまと劇場空間を共有できていることが奇跡のようで、舞台に立てる幸せを今まで以上に身に染みて感じました。