「私たちの未来も楽しみね！」（大地真央さん）
〈大地さん〉ジャケット38万円ブラウス 18万円 スカート15万円／すべてサンローラン バイアンソニー・ヴァカレロ（サンローラン クライアントサービス）イヤリング204万円 リング〈右手〉98万円リング〈左手〉72万7000円／すべてブルガリ（ブルガリ ジャパン）〈黒木さん〉ジャケット8万6000円パンツ6万1000円グローブ、帽子（ともに参考商品）／すべてエンポリオ アルマーニ（ジョルジオ アルマーニ ジャパン）イヤリング371万9600円ネックレス207万6000円／ともにカルティエ（カルティエ カスタマー サービスセンター）「共演の夢、いつか実現させたいです」（黒木 瞳さん）
黒木 去年の10月に私も真央さんと同じ60代の仲間入りをしました。
大地 私たち、40年近いおつきあいになるのね。若いときと比べて体の変化はそれなりに感じるけれど、気持ちはあまり変わってないような気もする。私が2度目の結婚をしたのが51 歳、20年間続けてきた『マイ・フェア・レディ』のイライザ役を卒業して、新劇の『ヘッダ・ガーブレル』に挑戦したのが54歳、初めての祖母役が『とと姉ちゃん』で60歳。ここ10数年はプライベートでも仕事でもそれまでの延長線上とは違う新しい世界が広がった時期だったわね。ショーコが初めて映画監督をしたのも50代だったでしょう？
黒木 はい。『嫌な女』を撮ったのが55歳。今までに映画を2本とショートムービーを1本撮りました。まさか私が映画監督をやるなんて、夢にも思っていませんでしたけど……。
プライベートでも仕事でも世界が新しく広がった50代
大地 あら、「いつか監督をやってみたい、やる！」って私にいってたじゃない。
黒木 え？ 覚えていない……。
大地 ん？ 酔ってたのかな？（笑）
若い人には負ければいい――。肩の力を抜いて、手は抜かず
大地 ところで還暦を迎えて何か感じるところはある？
黒木 特別な思いはないのですが、以前、あるかたが「干支は60年で一巡するから、60歳は0歳なのよ」とおっしゃったのがとても印象的でした。そうか、人は60歳で生まれ変わってまた何かを新しく始められるんだな、と。だからといって「これをやろう！」と意気込むわけではなくて、いろいろなかたがたやお仕事との出会いを大切に、ご縁があったときにはいつでも挑戦できる人でいたいなと思います。
大地 私も同感。特に今は先の見えない時代だから、何があっても対応できるように体も心も柔軟に保っておきたいと思うの。起きてしまったことはひとまず受け止めて、落ち込むときは落ち込んで、そこから「よっこらしょ」と立ち上がればいいじゃない？ 情熱は内に秘めて、柔らかく微笑みながら人生を謳歌する60代でありたいと思う。
黒木 2本目に撮った映画、『十二単衣を着た悪魔』の中に「若い人には負ければいい」という意味の台詞があって、私の中にストンと落ちてきたんです。「人は必ず老い、時代は動く。年とともに譲るところは譲り、自分を知ることこそが今を輝いて生きること。それが女性の品位だ」と。そんなふうに肩の力を抜いて、でも手は抜かず、今日という日を大切に生きていけたら素晴らしいなと思います。
大地 素敵な言葉ね。私は最近、家族や友達など今まで当たり前だった身近な人の存在を、より大切に思うようになった気がする。人間関係って、年月を重ねるごとにだんだん絞られていって、その分、中身が濃くなるのかもしれないわね。私とショーコとの間にもこの先どんな出来事が待っているか楽しみね。
黒木 本当にそうですね。二人にふさわしい作品に巡り合って、真央さんと共演できたら夢のようです。
大地 いつでもOK！といえるよう、心と体を整えておかないとね。
・【12月27日まで受付中!】
大地真央さん、黒木 瞳さんにもご協力いただいた「家庭画報誌上チャリティ」>>
撮影／下村一喜〈AGENCE HIRATA〉 スタイリング／江島モモ（大地さん） 後藤仁子（黒木さん） ヘア＆メイク／嶋田ちあき〈vierge〉（大地さん） 吉村純〈LA DONNA〉（黒木さん） 取材・文／浅原須美
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
