03.田作り
器/金彩盆文字どおり田を肥やしたその恩恵で縁起物に
田作りは正月だけの食べ物で、農耕民族の節会の料理にふさわしく、五穀豊穣を縁起とします。
その実体はカタクチイワシの稚魚の素干し。江戸時代にはこの小イワシを「鱓(ぜん)」とも「五真米(ごまめ)」とも称し、地方によっては細かく刻んで灰などに混ぜ、田の肥料に使いました。
これにより稲は豊作となり、米の味もよくなるということから「田作り」と呼ばれるようになったとされます。
ごまめは「五万米」とも書き、こちらも米の豊作祈願を縁起とします。
また、田作りは刀のように光る姿や、小さいながらも尾頭つきであることから、武家ではこれを若い武士に見立て「小殿原(ことのばら)」と称したといわれます。
【材料・作りやすい分量】
・ごまめ50グラム
・A(酒100ml 砂糖大さじ12/3 濃口醬油大さじ1)
・粉山椒適量
【作り方】
(1)ごまめはパリッとするまで、様子を見ながらレンジに1〜2分かける。
(2)鍋にAを合わせて煮詰める。泡が大きくなり、少しとろみが出てきたら(1)を加え、木べらで手早く混ぜる。
(3)粉山椒をふり入れ、全体が混ざったらバットにあけて冷ます。