黒豆
器/赤金襴手鉢 永樂保全 作元気で農事に励めるよう無病息災を祈念して
黒豆は農事に勤しんで黒々と日に焼け、「まめ(達者)」に暮らせるようにとの思いから、年の初めにこれを食べて、1年の無病息災を願います。
黒豆は大豆の一種で、外皮も中もへそも黒いことからその名があります。
なかでも丹波地方でとれる丹波黒(たんばぐろ)と呼ばれる品種は粒が非常に大きく、独特の甘みとうまみを持ち、煮たときの仕上がりも美しく、珍重されます。
江戸では、扁平で中央に雁がつついた痕のようなへこみのある、雁食豆(がんくいまめ)と呼ばれる黒豆が用いられました。
関西風の煮方ではふっくらと炊き上げますが、江戸風はしわが寄るのも気にせず、砂糖とわずかな醬油で煮たとされます。
【材料・2人分】
・黒豆(乾燥)200グラム
・米のとぎ汁5カップ
・砂糖4と1/4カップ
【作り方】
(1)黒豆は軽く洗い、古釘を入れた米のとぎ汁に一晩つける。
(2)鍋に(1)をとぎ汁ごと入れて火にかけ、弱火で丸1日ゆでる。豆がゆで汁から出ないように適宜湯を足す。
(3)ゆで上がったらそのまま冷まし、冷めたら水を少しずつ加えながら15分ほどさらす。
(4)別の鍋に(3)の豆とたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰直前に火からおろし、水を少しずつ加えながら水にさらす。再度火にかけ、同様に2〜3回ゆでこぼす。
(5)鍋に水3カップと砂糖1と1/4カップを入れて火にかけ、砂糖が溶けたところで黒豆を加える。紙ぶたをして弱火で20〜30分煮、そのまま冷ます。
(6)別の鍋に水3カップと砂糖3カップを入れて火にかけ、砂糖が溶けたら(5)の黒豆を移し替え、紙ぶたをして20〜30分煮る。火を止め、そのまま冷ます。
〔特集〕京都の料亭発、祝い肴+11品で祝う 村田吉弘さんの「3時間おせち」(全7回)
調理/村田吉弘 撮影/久間昌史 取材・文/松田純子
※3時間には祝い肴の調理時間、乾物をもどす時間などは含まれません。
写真とレシピの分量は異なる場合があります。
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。