京都の料亭発、祝い肴+11品で祝う 村田吉弘さんの「3時間おせち」 第7回(最終回) おせち料理のすべてを家庭で作るなどとても無理だと、多くの人は思うかもしれません。確かに種類も多く、手間も時間もかかりそうです。でも11種がわずか3時間で作れるのであれば、チャレンジしてみたくなるのではないでしょうか。余計な手間を省き、必要な手順だけで仕上げるおせち料理を、京都の名料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さんと考えました。祝い肴も、1種でも2種でも試してみましょう。手作りのおせちは、祝い膳の花形になるはずです。
前回の記事はこちら>> 紅白のめでたい一品でハレの日を寿ぐ
(右から)五色なます、柿なます、れんこんなます
器/有職菊紋木地縁高 柚子釜なます
正月の祝い肴に用いられるなますは、大根とにんじんを取り合わせた紅白なますです。
紅白という色の取り合わせは、日本においてはハレ、すなわち非日常の色であり、めでたさを表象する縁起のよい色とされます。
地方によっては、この紅白なますにイクラや酢でしめた魚を取り合わせたりもします。干し柿を加えた柿なますも多く見られます。
01.五色なます
【材料・4人分】
・大根100グラム
・にんじん30グラム
・水前寺のり3×4センチ
・ちしゃとう30グラム
・三つ葉1/4束
・柚子1/2個
・かに身80グラム
・土佐酢200ml(だし180ml 酢60ml 薄口醬油15ml 砂糖少々 昆布適量 かつお節ひとつまみ)
・しょうがの絞り汁・いりごま・塩各適量
【作り方】
(1)土佐酢はかつお節以外の材料を合わせて火にかけ、沸騰直前で火を止め、かつお節を加えて冷まし、こす。
(2)大根とにんじんは3.5センチ長さ、太さ5ミリの拍子木に切り、3パーセントの塩水に15分つける。さらしに包んで絞り、水気をきる。
(3)水前寺のりは水に一晩つけてもどし、3.5センチ長さ、5ミリ幅に切る。ちしゃとうは皮をむき、大根に揃えて切る。
(4)三つ葉はゆでて水にとり、水気を絞って3.5センチ長さに切る。柚子は皮をせん切りにする。
(5)かに以外の材料を土佐酢であえ、しょうがの絞り汁といりごまを加えて柚子釜に、かに身とともに盛る。