毛細血管の炎症が重篤な病気と関連することも
毛細血管は、細い動脈と細い静脈をつなぎ、動脈の血液を静脈に流しています。動脈や静脈には血管壁に筋肉がついていますが、毛細血管には筋肉はありません。
例えば、腎臓の糸球体では毛細血管が塊になって血液の濾過を行い、老廃物を含む尿のもとを作る重要な働きをしています。毛細血管を傷め、炎症を起こす糖尿病や高血圧は腎臓病のような重篤な病気の引き金になります。なお、加齢によって毛細血管が減ることが知られています。
これまで説明してきたように、血管が老いる一番の原因は加齢ですが、「やはり高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病には注意が必要です。これに肥満が重なると、たとえ生活習慣病が軽い状態でも動脈硬化が進み、心血管障害や脳卒中のリスクが上がります。喫煙はもちろん危険。実年齢は若返らせることはできませんが、生活習慣病や肥満の原因を遠ざけ、必要に応じて治療を受ければ、血管年齢は若返らせることができるのです」と横手先生は強調します。