――物語の舞台は平安時代と現代だとか?「平安時代と千年後の今をつないだ物語です。なので、現代の話も入ってきます。アクションや踊り、楽器の生演奏も盛り込まれますし、音的にも視覚的にもかなり特殊な効果を使うので、皆さんを異空間に連れて行けると思いますよ。実際、セットデザインや特殊効果を見せてもらって、びっくりしました。今回は最初から劇場で、そういった装置も使って稽古ができるそうなので、すごくありがたいです。僕は日本一、稽古場が嫌いな俳優なので(笑)」
――稽古場が苦手なのですか?「役者さんがみんな稽古場の床に体育座りしていたり、首にタオルを巻いていたりするのが、どうも苦手なんです(苦笑)。なので僕はいつも、役者さんにはなるべく椅子に座ってもらうようにしていますし、顔合わせの挨拶では“首タオル禁止令”を出しています(笑)。稽古は苦行ではないですからね。そこに参加している全員が楽しいほうがいいし、そのほうがいいものができると思います」
――大沢さんが、俳優をやっていてよかった!と実感するのはどういうときですか?「やっぱり作品が評価されたときですね。何をもって評価というかはさて置き、自分にとっていちばん嬉しいのは、多くの人が楽しんでくれること。観てくれた誰かが驚いたり、笑ったりすることが、この仕事の面白さなので。たとえば映画『キングダム』で巨大になった僕が出てくると、皆さん驚くじゃないですか。それが楽しくて、1年間せっせと食べ続けるわけです。役づくりだとは知らない人に、“あの人、あんなに太っちゃって、終わったよね”とか言われながら(笑)」
人気漫画を実写化して大ヒットした映画『キングダム』(2019年)では、体を徹底的にビルドアップし、中華最強と謳われる王騎将軍を見事に再現した。続編も撮影中だ。