陰陽道について調べているという大沢さん。「みんなが気づかないようなところに、リアルなものを入れられたらと思っています」――2021年、どんな年にしたいですか?「年末年始の仕事というのは、そこでその1年がだいたいわかるくらい大事だったりするんですが、今回はそれが『INSPIRE 陰陽師』。この作品を通して、何か光が見つけられそうな気がしています。もちろん、この作品に触れてくださる方にも、光が差したらいいなと思っています。皆さんを幸せにしたいとか、そんな大層なことは言いません。もわんとした心の曇り空が、少しでも晴れる瞬間があったらなと」
――50代をどう過ごしていきたいですか?「元号も令和に変わりましたし、いろいろなものが入れ替わる時期だと思うので、過去は過去のものとして、想像もしないようなところにトライしていきたいですね。長くこの仕事をやってきた今の自分だからこそできることもあるはずなので、過去に縛られず新たなことに挑戦できればなと。自分の中では、今回の『INSPIRE 陰陽師』はまさにその一つなんです。次のステージの始まりになるようなものにしたいですね」
――挑戦への原動力は何なのでしょう? 大沢さんほどの俳優さんであれば、もっと安穏としていても大丈夫だと思うのですが。「芸能界はそんなに甘くないですよ(笑)。僕の代わりはいくらでもいます。だから頑張るんでしょうね。一つひとつの仕事に、自分らしい何かを投下したいと思いながら。僕は、俳優は成長し続けなければいけない、新しいものに挑戦し続けなければいけないと思っているんです。そうじゃなければ、自分にとっては退屈な仕事になってしまう。今回の舞台にも、コロナ禍にある今だからこそ、大きな未知なるものへ取り組みたいという思いがあります。コロナ禍の前から感じていた日本を覆う閉塞感を、何とか突き破りたいですね」
――公演がますます楽しみになりました。読者へメッセージをお願いします。「あえて年末年始にやる以上は、今まで経験したことがないような年の瀬と年の始まりを感じていただけるような作品にしたいですし、闇を祓うというテーマに全員で真摯に向き合うつもりです。日本人は空気を読み過ぎるところがありますよね。その空気を少しでも明るくして皆さんに届けて、晴れやかな気持ちで劇場を出てもらえたらと思っています。ぜひ楽しみにしていらしてください」
大沢たかお/Takao Osawa
俳優
東京都出身。1987年にモデルデビュー。1994年から俳優として映画、テレビドラマ、ドキュメンタリー番組、舞台などで幅広く活躍し、日本アカデミー賞優秀主演男優賞、同優秀助演男優賞、ドラマ・オブ・ザ・イヤー最優秀主演男優賞ほか、多数受賞。近年の主な出演作は、映画『AI崩壊』、リンカーン・センターシアタープロダクション ミュージカル『王様と私』など。出演映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が2021年に公開予定。
『INSPIRE 陰陽師』
2020年12月31日~2021年1月6日(1月1日は休演)/日生劇場 S席/1万3500円 A席/1万1500円 お問い合わせ/サンライズプロモーション東京 電話0570-00-3337
脚本/ブラジリィー・アン・山田、岡本貴也、寺西南都 演出/山田淳也
出演/大沢たかお、古川雄大・村井良大(Wキャスト)、田口トモロヲ、山本耕史、
松岡広大、鈴木 仁、山本千尋、長澤 樹 ほか
https://inspire2020.jp/