日日是“笑”日(にちにちこれしょうじつ) 女優の柴田理恵さんが綴るきもの日記。きもののリメイク術から、愛犬との心温まる暮らし、得意の料理など、笑顔あふれる日常をお送りします。
前回の記事はこちら>> 睦月〜色無地5段活用
2021年の幕開けに、のっけからド・スッピンにて失礼します!
お正月は富山県八尾の自宅にて母と揃って笑い初め! おいしい料理と日本酒さえあれば幸せな我が家です。
新年の装いは大島紬。母方のチャコ伯母ちゃんが娘時代に着ていたものを、焦茶に染め替えました。シックな中にも、八掛と袖口に辛子色をあしらった大胆な裏地遊びが紬のリメイクの楽しみでもあります。そのキーカラー合わせて、辛子色の半幅帯でおうちスタイルに。
今年も、きものの喜びと一緒にたくさんの笑顔を届けたいと思いますので、連載「日日是“笑”日」をどうぞよろしくお願い申し上げます。
色無地活用1:大胆色で今様パーティスタイルに
今月は色無地をテーマにご紹介します。私の母方の姉妹は揃って茶道シスターズ。なかでも母のすぐ上の姉のチャコ伯母ちゃんは大勢の社中を抱える裏千家の教授だったので、姉妹のきもの箪笥はバリエーション豊富な色無地の宝庫でした。
色無地って譲られる機会が多いアイテムだけど、取捨選択に悩む方も多いのではないでしょうか? 私の場合はスタイリストの石田節子さんに相談しながら、こんなマイ・ルールを決めてみました。
1)地紋も色合いも好みの場合はそのままに。
2)娘さん色だけど地紋だけでも気に入ったら、染め替えを。
3)地紋も色も好みと合わない場合は、リメイクのベースに。地紋と淡い色合いが気に入った色無地の例。そのまま着る場合でも、自分らしく長く楽しむためにお手入れと寸法直しは必須です。色無地活用の1段目は、パーティスタイル。大胆なマスタードイエローの一枚は、刷毛目のような地紋が気に入って白生地から染めたもの。パーティなど華やかなシーンに活躍する一枚としました。
格調高い鎧縅(よろいおどし)の帯をドレッシーに仕上げるのは、フランスの蚤の市で見つけたブローチの帯留めやアンティークの懐中時計。帯揚げや帯締めは白っぽく引き算することで、ヨーロピアンな小物の味つけが際立ちます。
新年の華やかなシーンなら、こんな鮮やかな紫色の羽織を合わせて。
洋服なら絶対に合わせない配色も、きものだと「どうよ!」と言わんばかりの大胆なコーディネートに挑戦できるから不思議です。
伯母からの譲られものを、私好みの鮮やかなブルーに染め替えた一枚。せっかく手を加えて仕立て直すんですから、もう一手間かけて三つ鱗の飾り紋を入れました。
晴れやかな黄色の博多織の帯を合わせたら、冬の青空に映える蝋梅の花のようなコーディネートに。大胆な配色も、こんなふうに自然界に存在する情景をイメージすれば違和感なく着こなせます。