人生の転機は、いつだって訪れる
©Ladybirds Cinema足の悪い叔父とふたり、家業の酪農に従事するクリス。
毎朝5時半に起床し、叔父の着替えを手伝い、朝食を摂る。日中は牛を世話し、夕飯後はコーヒーで寛ぐ。店への買い出しは週に一度。
叔父とふたり、代わり映えはないが穏やかな日々を送っていたクリスは、あることを機に、獣医の助手を始める。
外の世界に触れ、自らに生じた変化に戸惑うクリス。叔父は、彼女の青年との恋や獣医になる夢を後押しするが......。
『わたしの叔父さん』の舞台は、空がどこまでも続くデンマークの農村地帯。裡に秘めた激しさが不意に現れるクリスと、飄々とした叔父さんの日常を丁寧にとらえた寡黙な映像が心に残る。
©2019 88milesケニアの奥地の小さな村で、助産師として暮らし、子ども、孫、さらにひ孫にも恵まれたゴゴ。
幼少期、学校に通わせてもらえず、教育の大切さを痛感していたゴゴは、自分のひ孫娘たちが通学していないことを知り、彼女たちが学校に通うよう、そして自身も読み書きを学ぼうと、一念発起して、90歳で小学校に入学する。
寄宿舎で寝起きし、緑の制服を身につけ、視力の落ちた目で読み書きに励む。
『GOGO94歳の小学生』は、世界最高齢の小学生が果敢な姿に、見ていて胸がすくドキュメンタリー。
『わたしの叔父さん』
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『GOGO(ゴゴ)94歳の小学生』
2019年 フランス映画 84分
監督/パスカル・プリッソン
出演/プリシラ・“ゴゴ”・ステナイ、チェプコエチ、ディナ
公式URL:
https://www.gogo-movie.jp/シネスイッチ銀座にて公開中、ほか全国順次公開 取材・構成・文/塚田恭子
『家庭画報』2021年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。