【連載】日本の医療をリードする名病院と病院長 国内最古の私立医科大学である日本医科大学は2006年、創立130周年を機に千駄木地区再開発計画をスタート。これに伴い、日本医科大学付属病院においても“未来へつづく病院づくり”を合言葉にさまざまな改革が進行中です。2018年にリニューアルオープンし、最先端の医療設備と患者サービスを備えた本館の機能を中心にご紹介します。
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多様なサービスを展開し「つくすこころ」を具現化
日本医科大学付属病院 病院長
汲田伸一郎先生
日本医科大学付属病院 病院長
汲田伸一郎(くみた・しんいちろう)
1961年、東京都生まれ。86年、日本医科大学卒業。88年~91年、国立循環器病センター放射線診療部レジデント。2006年、日本医科大学放射線医学講座主任教授に就任。17年2月より日本医科大学付属病院院長。19年12月に学校法人日本医科大学常務理事に就任。専門は放射線診断学、臨床核医学、特に心臓核医学。早くからクリニカルPETに注目し、がん検診にも積極的に活用している。“断らない病院”をモットーに最高レベルの救急医療体制を構築
日本医科大学は1876年に長谷川 泰によって創設された済生学舎を前身とし、2021年4月に創立145周年を迎える国内最古の私立医科大学です。
1910年、現在地に移転した際に開院した付属病院は「つくすこころ」を基本理念とし、良質な医療の提供に努めてきました。
〔健診医療センターの内部は癒やしを重視した空間に〕受診者がリラックスして検査を受けられるように設計された待合ラウンジ。廊下を挟んで説明外来、内視鏡検査室、MRI検査室を配置。写真提供/日本医科大学付属病院なかでも救急医療には早くから注力し、77年にはわが国で最初の救命救急センターを設置。93年には高度救命救急センター(厚生省認可第1号)に指定されています。
優秀なスタッフを数多く育成し、関連病院でも最先端の救急医療体制を築いてきました。
ドクターヘリをテーマに人気を博した医療ドラマ『コード・ブルー』のロケ地となったのが同大学千葉北総病院であることはよく知られています。
「当院は高度救命救急センター60床に12床の脳卒中センターを加え、国内最大級の充実した重症部門を擁しています。救急隊や地域の医療機関とも緊密に連携し、脳卒中の急性期治療件数、急性心筋梗塞患者の年間収容数は、ともに全国屈指です」と病院長の汲田伸一郎先生は説明します。
救急外来を直接受診する患者向けには総合診療科を核とした救急・総合診療センターを設置し、内科系診療を拡充しました。「地域の信頼に応えるために365日・24時間の救急医療体制を堅持し、“断らない病院”をモットーに取り組んでいます」。