〔新病院建設プロジェクトで患者の利便性をさらに高める〕2011年に始まった新病院建設プロジェクトは最終段階へ。21年秋にはタクシープールやバスターミナル、地下駐車場が完成し利便性も高まる。新病院のリニューアルを機に医療の快適性と利便性も追求
一方、一般診療では大学病院としての役割を果たすべく高度先進医療に邁進しています。
「2018年に新築した本館には22室の高機能手術室を整備しました。1室はハイブリッド型手術室で同室内に血管撮影装置を配備しています。これにより命にかかわる大動脈瘤手術など高度治療もスピーディーに行えるようになりました」。
〔ハイブリッド型手術室を整備し緊急性の高い病気にも迅速に対応〕ハイブリッド型手術室では、胸腹部の大動脈瘤に対するステントグラフト治療や重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術など高度治療が行われる。もちろん、ロボット手術用のダ・ヴィンチも装備し、前立腺がん、肺がん、直腸がん、婦人科がんなどの手術に活用しています。
「がんに関しては早期発見にも力を入れています。大学に併設されている健診医療センターでは他院に先駆けてPET検査を導入し、早期がんの段階での高い発見率を実現しています」と汲田病院長は話します。
また、患者の受診サポートや社会的・心理的・経済的問題に対応する患者支援センターの機能をワンストップにしたほか、がん相談支援センター内にがん看護専門看護師を配置した「ふれあい相談室」を新設するなど、患者や家族が安心して治療や療養に専念できる環境づくりにも努めています。
「当院では“未来へつづく病院づくり”を合言葉にさまざまな改革を行い、医療の効率化と安全性を追求してきました。この取り組みを今後も推進し、私たちを信頼して受診してくださる患者さんとご家族のために、医療の質に加え、快適性と利便性もさらに高めていきたいと考えています」