飲み込む機能がいったん衰えると回復が難しい
神戸市の神鋼記念病院耳鼻咽喉科科長の浦長瀬昌宏先生は、誤嚥性肺炎を起こした患者、あるいは窒息で亡くなった人を多く見てきました。
「嚥下機能の低下は、高齢化に伴い、大きな問題になります。老化によって普通の食事ができないくらいに嚥下機能が低下してしまうと、飲み込む訓練を始めたとしても、なかなか回復しないことが多いのです。
なぜなら、そのような状態になると、すでに体力や理解力が低下していて、レベルの高い訓練ができなくなるからです。また、誤嚥の心配があるために、実際に飲み込む訓練は制限されてしまいます。こういう状態になる前に何か手を打てないかと長年考えてきました」。
そして、2015年に同病院内に日本で初めて嚥下トレーニング外来を開設。飲み込む機能が衰えかけている患者を対象に、治療や重症化予防に当たっています。
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取材・文/小島あゆみ 撮影/塩川真悟 イラスト/にれいさちこ
『家庭画報』2021年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。