エンターテインメント

井上芳雄さんが『日本人のへそ』に出演。劇作家・井上ひさしの原点に挑む

2021.01.26

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――井上先生ご本人には、どんな印象がありますか?

「僕にとっては、素晴らしいものをたくさん与えてくださり、いなくなってしまった“天使のようなおじいちゃん”という感じです(笑)。僕がご一緒させていただいたのは最後の10年くらいなので、穏やかな印象しかないですし。でも若い頃の話を聞いたり、作品を観たり、戯曲を読んだりすると、僕の知らない先生の顔が見えてくる。その変化も興味深いですし、そういう意味でも今回、先生の若い頃の作品を経験し、作風の変化を体感できることが嬉しいです」

――ミュージカル俳優を目指して東京藝術大学音楽学部声楽科に入学し、在学中にデビューして20周年の芳雄さん。ミュージカルへの思いが揺らいだことはありますか?


「ないですね。大学ではクラシック音楽の素晴らしさを知ることができましたけれども、自分にできるとは思わなかったし、デビュー以降もミュージカル自体が嫌になることは全然なくて。去年『プロデューサーズ』をやったときも“ミュージカルは最高だな!”と感じました。やっぱり音楽の力は強いですよね。こういう(コロナ禍の)状況になっても、歌だけ取り出して配信したり、コンサートがやれる。そういう強みを改めて感じました。もちろん、ストレートプレイはストレートプレイで、人間をえぐるように描いたり、繊細に表現できる素晴らしさがあると感じています」

――歌がない会話劇、いわゆるストレートプレイも面白いなと思ったのはいつ頃ですか?

「面白いと言えるほど、まだできないです……って言いながら、もう20年経つんですよね(苦笑)。でも、やればやるほど、まだ全然わかってなかったなとか、足りないなと思うことが多くて。僕は芝居に関してはちゃんと習ったことがなくて、実際に舞台に立つことで学んできた人間。多喜二をやらせてもらったことで、扉が一つ開いたような感覚はあるんですが、やっぱりもっと学びたい、うまくなりたいという気持ちのほうが強いです」


井上作品には、『ロマンス』『イーハトーボの劇列車』『組曲虐殺』に続いて4作品目の出演。「井上先生を知らない世代が増える中、先生の作品を上演し続けているこまつ座の公演を絶やしてはいけないと強く思いますし、自分が伝えていけることもあるのではと感じています」
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