――物語としては、古田さん演じるベテラン劇団員が国際的な殺し屋だという情報を得て、インターポールの捜査官が月影花之丞一座に入団し……という話になるとか?「いわゆる潜入捜査ですよ。で、国際的犯罪組織とインターポールの戦いになっていくんだけど、それを月影先生がまぜっかえすという。ストーリー的には、かなり無理やりですね(笑)。そもそも、なぜ国際的犯罪組織がそんな小さな劇団に目をつけたのか? インターポールが阻止する必要があるのか? 安っぽい少年漫画みたいな筋立てでしょ?」
――逆に面白いです。この贅沢な顔ぶれで、そんなつっこみどころ満載の話を大真面目にやるなんて。「みんな“逆に”って言うんだよなあ(笑)。まあ実際、こういう時期だからこそ、(劇団☆新感線の座付き作家)中島(かずき)さんも(劇団☆新感線を主宰する演出家)いのうえ(ひでのり)さんも、ここは一丁、おバカなことをやろうと思ったんでしょうね。オモシロ系のお芝居をやってる人間は、みんなそうじゃないかな。劇場へ来てくれた人たちには、せっかくだったらニコニコして帰ってほしいから」
“Yellow/新感線”という名称は、JR 新幹線を安全に走行させるために点検や診断を行い、走行の希少さから、見た人は幸福になるとも言われる黄色い新幹線“ドクターイエロー”にちなんでつけられた。