雛祭り
発祥は厄災を川に流した“流し雛”
絵・文=鮫島純子(エッセイスト)
3月3日は五節句の一つ、上巳(じょうし/旧暦三月最初の巳みの日の意味)の節句です。
古代中国では忌日(いみび)とされ、人々は水辺で体を清めて厄を払いました。日本の『雛祭り』は、中国の風習を模して藁や紙の人形を川や海に流す“流し雛”と、平安時代の貴族子女の“雛(ひいな)遊び”が結びついたものといわれます。
江戸中期からは雛人形に桃の花木や菱餅などを飾る形が広まり、桃の節句とも称されるようになりました。
桃の花は中国では長寿のシンボル。当時は桃の花を入れた「桃花酒」が、今は麴を用いた白酒が供され、女児の健やかな成長を願う一日となっています。
『家庭画報』2021年3月号掲載。
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