ゆったり、あったか長風呂のすすめ 「感動のバスルーム拝見」第2回(全9回) おうち時間が長くなっている今、家の中で、どう楽しく心豊かに過ごすかは、日々の暮らしの大きなテーマとなっています。温水浴を習慣とする日本人にとってお風呂は単に衛生のためだけでなく、心身を癒やすくつろぎのためのもの。ストレスを取り除き、明日への英気を養ってくれる─ ちょっと贅沢で優雅なバスタイムを考えます。
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F邸(山梨・河口湖)設計/小川晋一都市建築設計事務所
この別荘は浴室だけでなく全室が湖に面した北向き。逆光になる南向きより景色が美しく見える。「お風呂は夕方ゆっくり入ることが多いです」と話すのは、湖畔にあるこの別荘の主(あるじ)、Fさん。設計はミニマルで美しい建築の名手として知られる小川晋一さんが手がけました。 小川さんは湖面がより近く感じられるよう、湖岸に沿って伸びる間口30メートルの細長い平屋を建て、浴室を含めた全室を湖に面した北側に配しました。自由に設計してもらったほうがいい建築になると思ったと語るFさん。浴室に関する要望も、丸い浴槽とサウナとテレビを設置することぐらいだったそうです。
全面開口から湖面と山並みが最も美しく見える、夕暮れ時のバスルーム。この時間帯に長湯することが多いとFさん。右手にはガラス張りのサウナ室が続く。左手の壁には埋め込み型の浴室用テレビを設置。テレビとサウナはFさんのたっての希望で取りつけたという。ジェット&ブロア機能付きの円形浴槽は「フォンテトレーディング」製。海辺の別荘も素敵ですが、さざ波が立つ穏やかな湖と美しい山並みが同時に見える景色はまた格別。そのうえ、テレビが大好きだというFさんですから、眺望と映像に見入って長風呂になるのはまず間違いないでしょう。
左手にはガラス張りのシャワールームがある。 〔特集〕ゆったり、あったか長風呂のすすめ「感動のバスルーム拝見」(全9回)
撮影/角田 進 取材・文/大山直美 スタイリング協力/山田喜美子
『家庭画報』2021年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。