飛鳥時代からの“漆皮”を革新。市川陽子(Yoko Ichikawa) 動物の皮に漆を塗って固める漆皮という伝統工芸技法で器をつくり続ける。「漆皮との出合いは学生時代。当時はもっと造形的なアプローチでしたが、次第に器や匙といった生活の道具に落ち着きました。形がある程度決まっているほうが漆皮という質感が生かせると思ったからです」。飛鳥時代からある漆皮の伝統にとらわれず、皮の縫い目をあえて残したり、漆の塗り加減を工夫して、もともとの皮の表情を生かしたり。その作品には、不思議な魅力が宿っている。 「八角盆」(