乳白銀で表現した苔の美しさ。永守紋子(Ayako Nagamori) 「漆という素材が何千年も続いているのは、時代ごとに人間が進化させてきたから。自分がその流れに入って、漆の新しい魅力を見つけることができれば」と永守さん。「苔のうつわ」は東南アジアへの旅行中、石の上に生えた苔に着想を得たもの。最初に緑色の器をつくり、その後、乳白銀を用いた白い器が誕生した。「雪が降った朝、太陽に照らされた大地の色のようだと感じています」と永守さん。漆の魅力とは、使っていくなかでの経年変化。「器を育てるつもりで使うことを楽