きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う、きのこフレンチ ア・ラ・カルト 第2回(全17回) 秋冬になると食卓を飾る機会が多くなるきのこ。その使い方に精通する山岡昌治シェフに、コース仕立てできのこの料理を教わりました。今回使うのは、手に入りやすい栽培のもの。使い慣れたきのこの新しくて豊かな世界を紹介します。
前回の記事はこちら>> 【きのこのマリネ】
いろいろきのことドライフルーツを温→冷でうまみを一体に
ボウル/アトリエジュンコ最初にご紹介するのは、きのこにドライフルーツの風味を吸わせた、さわやかなマリネです。
まずはきのこをさっと炒めて風味を凝縮。そこに白ワインでもどしたドライフルーツや水を加え、軽く煮て冷まします。このように一度熱してから冷ますと、きのこが味をしっかりと吸い、きのことドライフルーツの味が一体化します。
なお、きのことドライフルーツは、複数の種類を使うこともポイントです。風味やうまみの複合味が生まれ、深みのある一品となります。
きのこのマリネのレシピ
■材料(4〜6人分)・きのこ(しめじ、マッシュルーム、きくらげ、なめこ、しいたけ、はなびらたけ)...合計300グラム
・ドライフルーツ(干しあんず15グラム、干しいちじく20グラム、レーズン15グラム、クコの実10グラム)...合計60グラム
・白ワイン...100ml
・水またはチキンブイヨン...50〜70ml
・オリーブオイル、塩...各適量
・シークワーサー果汁※(市販品も可)...30ml
・EXVオリーブオイル...30ml
・ピンクペッパー、チャービル...各少量
※かぼすやすだちなど、好みの柑橘でよい。
■作り方きのこは基本的に手で割くと味がなじみやすい(1)きのこを手で割いて(必要な場合はナイフで切る)一口大とする。軽く塩をふる。
ドライフルーツの香り&甘さをきのこになじませる(2)干しあんず、干しいちじくをレーズンと同じ大きさに切る。すべてのドライフルーツを15分間ほど白ワインにつけて柔らかくする。
(3)鍋で少量のオリーブオイルを熱し、(1)のきのこをさっと炒める。
(4)(3)に(2)のドライフルーツを白ワインごと入れ、軽く沸騰させてから水またはチキンブイヨンを加える。再度軽く沸騰させてから火からおろす。
冷まして全体がなじんでから、塩で味をととのえる(5)粗熱が取れたらシークワーサー果汁を混ぜ合わせる。その後、常温に冷めたら塩で味をととのえ、EXVオリーブオイルを加える。
(6)冷蔵庫でよく冷やす。冷えた段階で再度味見し、必要なら塩を加えて味をととのえる。
(7)器に盛りつけ、ピンクペッパーを散らし、チャービルを飾る。
〔教えてくださったのはこの方〕
山岡昌治(やまおか・しょうじ)さんフランス料理「レストラン マッシュルーム」のオーナーシェフ。愛媛県松山市生まれ。27歳でフランスに渡り、約5年間料理の修業をする。帰国後、フレンチレストラン勤務を経て1993年東京・恵比寿に自店を開業。フランス滞在中に自然の偉大さ、特に未知のきのこワールドに魅せられ、休日は日本の山野を歩き回る。「レストラン マッシュルーム」東京都渋谷区恵比寿西1-16-3 ゼネラルビル恵比寿西101
TEL:03(5489)1346
〔特集〕きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う きのこフレンチ ア・ラ・カルト(全17回)
料理/山岡昌治 撮影/角田 進 取材・文/柴田 泉
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。