きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う、きのこフレンチ ア・ラ・カルト 第9回(全17回) 秋冬になると食卓を飾る機会が多くなるきのこ。その使い方に精通する山岡昌治シェフに、コース仕立てできのこの料理を教わりました。今回使うのは、手に入りやすい栽培のもの。使い慣れたきのこの新しくて豊かな世界を紹介します。
前回の記事はこちら>> 【干し舞茸のポタージュ】
エスプレッソカップ&ソーサ―/ウェッジウッド テーブルクロス、ナプキン/アレクサンドル・チュルポー(麻平)干して、うまみをすべて引き出したきのこの滋養スープきのこは干すと風味が凝縮し、歯ごたえも増します。干し舞茸のポタージュはきのこのそんな性質を生かした一品。
ポタージュには舞茸のうまみが濃厚に溶け、浮き実の舞茸は力強い風味と食感を備えます。市販の乾燥舞茸を使うと手軽に作ることができ、おすすめです。
干しきのこのえぐみはミルクでマイルドに変化します。
干し舞茸のポタージュのレシピ
■材料(4人分)・乾燥舞茸A...90グラム
・チキンブイヨン...300〜350ml
・牛乳A...300〜350ml
・牛乳B...120ml
・生クリーム...80ml
・塩...適量
【浮き実】
・乾燥舞茸B...20グラム
・昆布だし、塩...各適量
・乾燥舞茸のパウダー...適量
舞茸の乾燥品、粉末は市販されている。自家製する場合は、舞茸を適宜に割いてから扇風機などの風にあてて乾かす。粉末は、これをミルで砕く。■作り方(1)チキンブイヨン、牛乳Aを鍋に入れ、温める。
(2)ぬるく感じる温度(40度ほど)になったら乾燥舞茸Aを入れ、沸騰する直前まで温める。そのまま2〜3分間温め続け、火からおろす。
(3)粗熱が取れたら、ミキサーに(2)を煮汁ごと入れて回す。水分が足りない場合は牛乳とブイヨン適量(分量外)を加えて回す。
(4)鍋に(3)を戻し入れ、牛乳B、生クリームを加えて濃度を調整して温める。塩で味をととのえる。
(5)鍋に昆布だし(乾燥舞茸Bがかぶる程度の量)と塩を入れて温める。ぬるく感じる温度になったら乾燥舞茸Bを入れ、ひと煮立ちさせて火を止める。そのまま冷まし、粗熱が取れたら舞茸の味を確認し、必要なら塩を加える。
(6)カップに(5)の舞茸を入れ、(4)のポタージュを流し入れる。乾燥舞茸のパウダーをふる。
〔教えてくださったのはこの方〕
山岡昌治(やまおか・しょうじ)さんフランス料理「レストラン マッシュルーム」のオーナーシェフ。愛媛県松山市生まれ。27歳でフランスに渡り、約5年間料理の修業をする。帰国後、フレンチレストラン勤務を経て1993年東京・恵比寿に自店を開業。フランス滞在中に自然の偉大さ、特に未知のきのこワールドに魅せられ、休日は日本の山野を歩き回る。「レストラン マッシュルーム」東京都渋谷区恵比寿西1-16-3 ゼネラルビル恵比寿西101
TEL:03(5489)1346
〔特集〕きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う きのこフレンチ ア・ラ・カルト(全17回)
料理/山岡昌治 撮影/角田 進 取材・文/柴田 泉
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。