奈良の桜紀行 第20回(全25回) 奈良の桜こそ、私たちが今いちばん見たい風景ではないでしょうか。新たに誕生した宿、地元に愛される美食処とともに古都の桜の名所をご案内します。
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山深き自然に囲まれた蕎麦の名店
店主の桶谷一成さんがご実家である築150年の古民家で蕎麦屋を始めたのは今から17年前。細くコシのある十割蕎麦と大和野菜をふんだんに使った菜食料理が評判となり、山奥にもかかわらずお客が引きも切らない人気店です。
店主の桶谷一成さん。日本神道に惹かれ、その奥深さを学ぶため日本各地の神社を巡る旅をする中で出合い、感動した精進料理。その精神は店で出される菜食料理に生かされている。「そうめん文化で育ってきたので麺は細め。さらりと甘みがあるのど越しのよい蕎麦が特徴です。汁は鰹と利尻昆布ですっきりと。少量をつけて召し上がっていただきます」と桶谷さん。
「蕎麦同様に野菜の前菜も自然の恵みをそのままを味わえるようにしています」。素材一つ一つの味を最大限に生かした、心に残るアートのような料理です。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
一如庵(いちにょあん)
宇陀市榛原自明1362
- 月曜・火曜定休 「昼の膳」6000円、アラカルトもあり。 昼、夜とも前日予約のみ。
撮影/工藤憲二 取材・文/土橋育子 ※料理の内容は、一部変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。