次の九州は“美味しい”を訪ねて 第6回(全23回) 佐賀県と長崎県は2022年9月に西九州新幹線の開業を控え、旅の目的地として再び注目が集まっています。今回は新幹線が走るエリアを軸に「美味しい」をキーワードに探訪しました。
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「いちごのかき氷」500円は楠田さんが育てた「恋みのり」と「ゆめのか」で作るいちごシロップと練乳をたっぷりかけて。お店の前には水車が回り、水の音も涼やか。農家発! 夏限定のかき氷
「棚田の向こうに見えるのが有明海、その先が天草諸島です。ここ“茸山(なばやま)”の素晴らしい景色も一緒に楽しんでほしいですね」と話すのはいちご農家の楠田耕三さん。
いちご栽培ひと筋30年の楠田さん。地植えによる濃厚な味が好評。2月、3月は完全予約制でいちご狩りにも対応。農閑期である夏、週末限定で故郷の絶景を見晴らすご自宅横の茶店でかき氷を振舞っています。デリケートな果物ゆえに傷などが理由で出荷時に多くのロスが出てしまういちご。なんとか無駄にせず楽しんでもらう方法はないかと一念発起。収穫期に冷凍保存をしておいたいちごでシロップを作り、試行錯誤を重ねてかき氷を完成させました。
メニューに並ぶかき氷はいちごのほか、農家仲間からの地元産メロンやマンゴー、ハウスみかんに桃……とさながら物産館のよう。いずれも農家製らしく、ごろっとしたフルーツの存在感が秀逸です。
南島原からのフレッシュな「メロンのかき氷」700円。 Information
なばやま茶屋ひかり(西有家町)
長崎県南島原市西有家町見岳3303
撮影/本誌・坂本正行 取材協力/長崎県 九州観光機構 九州旅客鉄道
『家庭画報』2022年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。