「心を調える」秋 京都で新体験 第19回(全30回) 時代の変わり目、何かと心がざわめき、心が調(ととの)わないと感じる日々が続きます。今、私たちに必要なのは、心をからっぽにし、頭を整理する時間です。自分の心に、自分の人生に深く残る何かを求めて、日本の心の原点、京都に旅立ちます。
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注目の新店をご紹介します。旅のプランに合わせて選ぶ美味処で、古都の秋をご堪能ください。
おが和(西洞院三条)
土鍋で炊いた白飯に鉢盛りのおかずをのせてもらう、締めのご飯。自家製唐墨、海苔の佃煮、鮪とろろ、牛肉山椒煮、牛蒡金山寺味噌など。[おまかせ]8種のお供とともにいただく締めの土鍋ご飯
和食の域を出ることなく、京都で調達した食材を多用し、自分らしいおいしさを求めている小川洋輔さん。
「京都吉兆」「祇園さゝ木」で15年研鑽を積んで独立し、45歳になった2022年2月に新たに一軒家へ移転。広々とした空間にカウンターとオープンキッチンを設け、理想の新天地で日々高みを目指しています。
広いオープンキッチンに立つ小川洋輔さん。全席から調理風景が見られる。「今は和食の幅が広がり、奇抜な料理が増えましたが、目先の新しさより昔からある料理を自分なりに深めて表現したい」と味の深化を大事にする小川さん。
自家製の寄せ豆腐は作りたてのおいしさを野菜のごま和えで際立たせ、シンプルに焼いた魚にも季節の野菜が添えられます。秋の定番料理「土瓶蒸し」は“香り松茸”をテーマに、松茸はいただかず、香りだけを楽しむおが和スタイルに。
修学院の農家の畑に出向いて自ら収穫している野菜の一品や、釜で炊いた白ご飯もここならではの形で出し、最後のデザートに至るまで程よいひとひねりがキラリ。シンプルでありながら味わい深い、温和な主人の思いがこもったご馳走尽くしです。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
おが和(おがわ)
京都市中京区姉西洞院町515
TEL | 075(211)6005 |
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営業時間 | 12時一斉スタート、18時〜19時(最終入店) |
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定休日 | 日曜・月曜昼・水曜昼定休 |
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- 要予約 昼コース4160円〜、夜コース2万4000円
撮影/内藤貞保 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。