「心を調える」秋 京都で新体験 第22回(全30回) 時代の変わり目、何かと心がざわめき、心が調(ととの)わないと感じる日々が続きます。今、私たちに必要なのは、心をからっぽにし、頭を整理する時間です。自分の心に、自分の人生に深く残る何かを求めて、日本の心の原点、京都に旅立ちます。
前回の記事はこちら>> この秋に行きたい新・美味処
注目の新店をご紹介します。旅のプランに合わせて選ぶ美味処で、古都の秋をご堪能ください。
京、静華(岡崎)
手前から、浜松の幻の蟹といわれる「どうまん蟹のネギ生姜炒め」、京都・亀岡の「七谷鴨の山東風香味揚げ」。蟹は身が詰まって濃厚。蒸して丸揚げしたジューシーな鴨は目の前でカットして出される。[おまかせ]素材に真摯に向き合い、生み出される洗練の中国料理
テーブル席をオープンキッチンのカウンターに改装し、2020年11月に新たなスタートを切った「京、静華」。
「一人で仕事がしやすいようにカウンターに替えました。調理の様子もお楽しみいただけて、私もお客さまから刺激を受けています」とご主人の宮本静夫さん。自身の仕事に常に真摯に向き合う40余年のキャリアを持つ大ベテランであり、70歳になった今も洗練の味で多くの人を魅了し続けています。
京都に店を開いて14年、アーチ形のカウンターで料理をする宮本静夫さん。旺盛な探究心によって料理は年々研ぎ澄まされ、定番のお刺身サラダは食感の違いと彩りの美しさでバージョンアップ。山東省の郷土料理の鴨の香り揚げは素材やスパイス、火入れに注意を払い、野趣味を深めています。また、特別な食材が手に入ったときは、それを取り入れたコースが自在に組み立てられます。
常連客が何より楽しみにしているのは、塗りの椀で出されるスペシャリテの「ふかひれの姿煮」。季節により調理法が変わり、何度いただいても感動する唯一無二の逸品です。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
京、静華(きょう、せいか)
京都市左京区岡崎円勝寺町36-3
- コース1万9800円〜、ふかひれ料理はプラス7000円
撮影/伊藤 信 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。