「心を調える」秋 京都で新体験 第24回(全30回) 時代の変わり目、何かと心がざわめき、心が調(ととの)わないと感じる日々が続きます。今、私たちに必要なのは、心をからっぽにし、頭を整理する時間です。自分の心に、自分の人生に深く残る何かを求めて、日本の心の原点、京都に旅立ちます。
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注目の新店をご紹介します。旅のプランに合わせて選ぶ美味処で、古都の秋をご堪能ください。
また吉(祇園)
食材や器は時に和食の範疇に入らないものも使われる。手前から、ソフトな食感の「にしん茄子」、ワインを誘う「ぶどうのマスカルポーネとリコッタの白和え」、「かぶらとアグー豚と厚揚げの炊いたん」。[一品料理]祇園の名割烹の味を大鉢で気軽に楽しむ
花街風情を色濃く残す祇園西花見小路に、2022年4月にお目見えした、人気日本料理店「祇園又吉」の姉妹店。カウンターの前に、大鉢に盛った、にしん茄子や自家製ひろうす、和え物などのおばんざい十数種をずらりと並べ、お造りや焼き物、揚げ物なども細やかに対応してくれます。
「お好きなものだけを一品で気軽に楽しんでもらい、お値段はお一人さま1万円が目安。割烹と小料理屋を一つにしたような店で、本店とうまいこと使い分けていただけたら」と語るのは、ご主人の又吉一友さん。
又吉さんの弟子で、経験豊富な杉本典之さんが料理長を務める。昼はカレーや、自家製シロップと天然氷にこだわったかき氷が楽しめる。席につくと先付と小鉢をセットにした本日のお突き出しからスタート。その後はフリースタイルで目の前の大鉢からおばんざいを選んだり、料理長の杉本典之さんにおすすめを聞いてオーダーしたり。
又吉さんの出身地、沖縄から取り寄せているアグー豚や石垣牛も揃え、日常的なおかずながら端正で丁寧な仕事を感じるものばかりです。軽く食べてご飯で終わりたい人も、お酒を飲んでしっかり食べたい人も満足できる品揃えで、締めのご飯にはカレー、食後にはかき氷をいただくことも。
「あれも食べたい、これも食べたい」と自在に楽しめる一軒です。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
また吉(またきち)
京都市東山区祇園町南側570-120 万治ビル1階
- 要予約 昼2000円〜、夜は一品料理のほかコース8000円〜(前日までに要予約)
撮影/伊藤 信 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。