驚きと感動の“美味逸品” 第10回(全29回) 料理は、言葉より雄弁にその国のことを物語ります。駐日大使公邸のおもてなしを拝見し、世界各国の料理をレストランで楽しみ、珍しいスパイスやハーブに出合える食材店を巡る――私たちの周りにたくさんある“日本の中の外国”へご案内します。
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公現祭を祝う菓子は世界的な冬の楽しみ
ガレット・デ・ロワを食べる1月6日の「公現祭」は、フランス語で「エピファニー」といわれ、12月25日に生まれたイエス・キリストのもとに、3人の王が祝いに訪れた日、すなわち「救い主が世に現れたと公にされた日」のこと。
直訳の「王さまのお菓子」という名が示すとおり、パイ生地で包んだアーモンドクリームの中に「フェーヴ」と呼ばれる小さな陶器を忍ばせてあり、切り分けて当たった人には幸運が訪れるといわれます。それもあって大人も子どもも胸をときめかせて楽しい時間を過ごします。
「パティシエ・シマ」では、のばしたバターを外側にしてパイ生地を折る製法で、よりサクサクと軽い口どけに。表面の見事な切り込み模様は、「月桂樹」など自然の恵みを表す伝統的な意味を持ちます。中身はアーモンドクリームにカスタードを加えてあり、濃厚で力強い風味が特徴です。
今季はピスタチオクリーム入りも登場。食べる前にオーブンで軽く焼き直すと、香ばしさが引き立ちます。
●パティシエ・シマガレット・デ・ロワ クラシック
直径18センチ 3456円。※直径24センチもあり。
12月28日~30日、1月5日~28日販売。全国発送可。電話、FAXにて注文を。
※「クラシック」のみオンライン「タカナシミルクウェブショップ」でも期間・数量限定で販売。
撮影/本誌・坂本正行 スタイリング/横瀬多美保 フードスタイリング/福岡直子 選・取材・文/平岩理緒 トレー/アトリエ ジュンコ ウォールペーパー/ボラスタペーター(トミタ)
『家庭画報』2022年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。