コレステロール値を下げ、血糖値の上昇を抑え、高血圧を防止し、免疫機能を高める働きがある「大麦」は、トータルで腸活にとても役立つ“スーパーフード”。
『慈恵大学病院の食べる「免疫力」』(世界文化社)から、もち麦の基本のおいしい調理法と、応用レシピ「えびとベーコンのもち麦ピラフ」を紹介します。
もち麦の食物繊維は最良の腸活サポーター!
東京タワーが完成した昭和30年代、日本人の食卓からなじみのあった「麦ご飯」が消えはじめました。やがて欧米型の食事が浸透しだすと、それを境にして大腸がんや糖尿病など生活習慣病が増え続けました。
因果関係は明確にはされていませんが、皆さんがなんとなく気づきはじめたのは「食物繊維」の摂取不足。とくに大麦β-グルカンの効用に海外が注目しだすと、日本人は物置に押し込んでしまった大事なものを引っ張りだすかのように、大麦(とくにもち麦)ブームを引き起こします。
もち麦は腸に活力を与える食べ物です。免疫力を高めるのなら、免疫細胞が活躍する腸という場所の環境を整える必要があります。もち麦は腸を支える最良のサポーターといえます。
もち麦をおいしく食べるには?
大昔から米に次ぐ重要な農作物として、栽培されるようになった大麦。奈良時代には白米に混ぜて炊いた「麦ご飯」も食べられるようになったそうです。
白米のかさを増したり、安価に栄養を補うために大麦が食べられた時期もありました。しかし、現代は大麦、とくにもち麦の健康効果が知られるようになり、積極的に食卓に取り入れる方も多くなって、「もっとおいしく、もち麦を食べたい」という声が増えています。
『慈恵大学病院の食べる「免疫力」』では腸活や免疫力強化という視点から、もち麦レシピもさまざま載せていますが、ここではもち麦調理の基本中の基本、「もち麦ご飯」の炊き方について紹介します。
米7:もち麦3から健康効果を実感!
もち麦ご飯の米ともち麦の比率はおおよそ7:3。米1合(150g)に対してもち麦50gが目安です。この分量で約1.5合分の炊き上がりとなります。便通改善には、この配分で効果が見込めます。味に慣れたら、さらなる健康増進を求めてもち麦の割合を増やしてもいいでしょう。配分は自由です。
もち麦の基本の調理法
(1) 米はいつもの水加減で
米をいつも通りに研ぎ炊飯釜に入れて普通に水加減をする。
(2) 基本は7対3の配分
米1合に対してもち麦はおおよそ50g。
※洗わなくても使えるもち麦も市販されています。気になる方はさっと洗って使いましょう。
(3) もち麦の倍量の水を足す
加えたもち麦の2倍量の水を足す(もち麦50gなら水は100g=100ml)。米ともち麦を混ぜる。
(4) 炊けたらよく混ぜる
炊飯器のスイッチON。雑穀モードを使う場合は説明書を確認。炊き上がったらよくかき混ぜる。
【応用レシピ】強力な抗酸化力でおいしさも特別
「えびとベーコンのもち麦ピラフ」
古くからおめでたいことがあると食べられるのが「えび」。それもそのはず、えびには良質な動物性たんぱく質やミネラルが豊富に含まれ、しかも低脂肪という、めでたさに花を添える食べ物なのです。えびの赤い色素のアスタキサンチンはビタミンCの6000倍といわれるほどの強力な抗酸化作用(※)を持ち、がんや生活習慣病を予防し、美肌効果もあるといわれます。もち麦とえびの免疫効果で、毎日がお祝い気分になるといいですね。
※一重項酸素の消去力
(Nishida Y, et al., (2007).Carot Sci. 11: 16-20. より)
材料(作りやすい分量・4人分)
米……2合
もち麦……100g
ベーコン……50g
玉ねぎ……1/2個(100g)
えび……200g
マッシュルーム(スライス缶)……50g
バター……20g
a
・塩……小さじ1 と1/2
・胡椒……少々
・顆粒コンソメ……小さじ1
水(米分)……2合
水(もち麦分)……200㎖
パセリ(みじん切り)……少々
作り方(1) 米はといでざるに上げておく。もち麦はさっと洗う。
(2) ベーコンは棒状に切る。玉ねぎは1cm角に切る。えびは背わたを取り、殻をむいて3 等分に切る。
(3) フライパンに半量のバターを入れ、中火にかけ、ベーコン、玉ねぎ、マッシュルームの順に炒め、取り出しておく。
(4) 残りのバターをフライパンに入れ、弱めの中火でえびを炒め、塩・胡椒(各少々、分量外)をする。
(5) 1と3の具材を炊飯器に入れ、aと分量の水(もち麦分とも)を加えて通常通り炊飯する。
(6) 炊き上がったら、ひと混ぜして、4のえびを入れて混ぜる。
(7) 器に盛り、パセリのみじん切りを散らす。
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