ラグジュアリーホテル話題のダイニングで華やぎの新年を 第2回(全6回) 一年の労をねぎらい、新しい一年の始まりを祝う晴れやかな集いにふさわしい6軒へご案内します。
前回の記事はこちら>> MUNI ALAIN DUCASSE(ムニ アラン・デュカス) MUNI KYOTO(ムニ キョウト)
アンティークの食器やグラス、名画や家具を配した、黒と赤でまとめられたシックなダイニング。ライトアップされたテーブルが至福のひとときをよりあでやかに彩る。巨匠のエスプリと瑞々しい才能が嵐山で融合
京都・嵐山の渡月橋と保津川が織り成す雄大な風景を一望するスモールラグジュアリーホテル「ムニ キョウト」。2020年8月にオープンして以来、訪れる人を魅了し、深い感動を生んでいるのがここ「ムニ アラン・デュカス」です。
フランス料理界の巨匠アラン・デュカス氏が設立した「デュカス・パリ」が手がけるコンテンポラリーレストランであり、MUNI(無二)の名のとおり、ここでしか味わえない美食が何よりの魅力です。
日本の食文化、歴史や伝統への深い愛情やリスペクトが感じられる、古都・京都の食材を生かした地産地消のフレンチをはじめ、内装や家具、調度品もデュカス・パリが担い、すべてが唯一無二。レストランを目当てにオーベルジュ感覚でホテルに宿泊する人が多いというのも頷ける、特別なひとときをもたらす感動の場です。
オープン3年目を迎えた今、注目を集めているのが29歳にしてエグゼクティブシェフに着任したアレッサンドロ・ガルディアーニさんの存在です。
豊かな経験と感性で巨匠のエスプリを表現するアレッサンドロ・ガルディアーニシェフ。モナコ、ロンドン、パリのアラン・デュカスのレストランで10年研鑽を重ねた経験をもとに、革新的な発想から生まれる繊細にして品格のある師の料理を見事なまでに継承しています。京都産の和牛やフランス産のオマール海老などの日仏の優れた食材を旬の野菜と融合させ、そのアプローチは実に多彩。火入れの加減やソース、香りで心地よい余韻を誘い、心温まる記憶へと導きます。例えば、旬の貝は潮の香りが感じられるヨード風味のソース、すずきのグリエは甘みのあるかぼちゃやいかとの取り合わせの妙で軽やかに。
濃厚なうまみの牛肉にはスパイシーなソースやハーブの香りのビーフコンソメで素材の力を印象づけ、いずれも虜になるおいしさです。
【季節の貝の炭火焼きとマリネ ヨード風味 ロメインレタスとレモンバーム】貝のうまみを凝縮したソースがかかる前菜。山梨の老舗酒蔵「七賢」と開発した華やかな乾杯酒「アラン・デュカス スパークリング サケ」と。デュカス氏の心のテロワール、地中海からのインスピレーション、「デュカス・パリ」のシェフソムリエ、ジェラール・マルジョン氏による味わいのディレクションを受け、桜の樽で熟成、瓶内二次発酵を用いている。【スズキのグリエ 南瓜とイカ】絶妙な火入れのすずきとかぼちゃのソース、奥はこういかのタリアテッレとじゃがいものガレット。料理はすべて目の前でソースをかけ、味わいも彩りも満足のいく一品に。下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
MUNI ALAIN DUCASSE
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3 MUNI KYOTO
撮影/久間昌史 取材・文/西村晶子 ※ご紹介した料理や食材は、天候や仕入れ状況等の影響で変更になる場合がございます。料金には別途サービス料がかかる場合がございます。予めご了承ください。
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。